未来志向型経営戦略:3ステップ構築法

3ステップ構築法

第1ステップ
経営の軸づくり

まず最初に会社の姿勢(あるべき姿)会社の方向性(やるべき事)、全社員の行動(価値の共有)を決め、「経営のブレない軸」をつくる。

 

① 経営のこだわり三原則(経営のブレない軸)

経営の三原則『ミッション』

『ミッション』のことを「会社の目的」と定義し「会社の目的」は以下の3つで説明をしています。

  • 会社の存在意義
  • 創業者と社長の想い
  • 社会に対する会社の約束
顧問契約をしている経営者の方と明確な言葉の定義を持って会社の『ミッション』を創ります。前職の広告業界で培った企業スローガンやキャッチフレーズの良否を決める価値判断の基準やキャッチフレーズの創作過程におけるコピーライターの言葉への想いなどを35年間に6万件以上の広告制作に携わった体験から手に取るように理解することができます。その体験や学びから得た見識で顧問先企業の『ミッション』を創ります。

経営の三原則『ビジョン』

私は『ビジョン』のことを「会社の目標」と定義し「会社の目標」は以下の3つで説明をしています。

  • 社長のこだわり
  • 社長の目指す将来像
  • 社長の約束
会社のビジョンは経営者の方と一緒に言葉の定義を明確にしてつくります。実際のコンサルティングの現場では『ビジョン』を言語化するまでに経営者の方に質問をしながら数回の面談を要することになります。

経営の三原則『バリュー』

私は『バリュー』のことを「会社の行動指針」と定義し経営者の方に「会社の行動指針」を以下の3つで説明しています。

  • 社長のこだわり
  • 社員のおもてなし
  • 社員の約束
会社のバリューは社員の方々と一緒に行動のひとつひとつを決めていきます。行動を分かりやすく文章化することで「クレド」としてまとめ上げ 名刺サイズ程度の大きさにして社員全員が常時携帯して活用します。会社における『バリュー』は毎日実践しなければ意味がありません。

第2ステップ
スクラップアンドビルド

事業を見直し、再構築することで、「続けること」と「止めること」を明確にする。さらに、新たな事業ドメイン(領域)を決めることで、 「不足していること」「未成熟なこと」が浮かび上がる。マーケティングの導入は、誰もが再現できる、売れる仕組みをつくること。ビジネスモデルの構築は、儲かる仕組みをつくり、稼ぐ力を明確化すること。

Scrap-and-build

② 事業の再構築(事業の見直し)

『事業の再構築』とは企業活動や業務の流れを分析して最適化することをいいます。組織やビジネスの手順を根本的に見直してビジネスプロセスの視点で

  • 組織
  • 職務
  • 業務フロー
  • 管理機構
  • 情報システム

などを再構築することでお客様に対する価値を生み出し「続ける事業」「やめる事業」「新たに始める事業」を決めます。

③ 事業の再定義(事業ドメイン)

事業の再構築をした結果、今までとは事業が変わっているため、新たに構築した「事業の領域」が、何であるかを決める必要があります。事業が変わっているとは業種や業態が変わるという意味です。

たとえば、<富士フイルム>という会社は社名が表すように「フィルム」の製造・販売の会社でした。しかし、アナログのカメラやフィルムで写真を撮影して現像する時代から、デジタルカメラで撮影をして、記録媒体に保存する時代に変わり<富士フイルム>は、フィルムの事業では経営が成り立たなくなりました。そこで、新たに「事業の再構築」をおこない……

  • デジタルの高機能材料としての分野
  • 医薬品や化粧品に活用する分野

へ踏み出すことを決めました。その後は、両分野に関する国内外の企業を買収するなどして、<富士フイルム>の主な事業は大きく従来とは変わりました。現在の<富士フイルム>は「何屋さん」と呼べるのでしょうか?社名とは違う事業領域(事業ドメイン)に大きく変わりました。

このような場合は、「事業の再定義」をすることで、<富士フイルム>が何屋さんなのか?もっと、誰にでも分かりやすい会社になります。

④ マーケティングの導入(売れる仕組み)

3つの視点による販売促進の仕組みづくり

  • 誰に(あなたの、お客様は誰ですか?)
  • 何を(あなたの、商品やサービスは何ですか?)
  • どの様に(あなたは、どんな方法で商品やサービスを提供しますか?)

これら3つの視点を明確にする事で、売上があがる仕組みができます。マーケティングとは、現在の事業の、売上があがるように考えていく手法にのことをいいます。したがって、マーケティングを導入するということは、「売れる仕組み」をつくることになります。一方で、「儲かる仕組み」とは、利益が確実に生まれる仕組みのことをいいますが、それは次のステップになる「ビジネスモデル」を構築することで、収益(売上と利益)のあがる仕組みをつくることができます。

⑤ ビジネスモデルの構築(儲かる仕組み)

9マスのフレームによるビジネスモデルの構築です。ビジネスモデルを構築するための9項目は

  • 理想のお客様
  • 協力者
  • 主要活動 
  • 選ばれる理由
  • 収益
  • チャネル 
  • 提供する価値
  • コスト
  • 経営資源

これら9つの項目を、より具体的な言葉で埋めていくことで、あなたの事業のビジネスモデルをつくることができます。このビジネモデルを構築することで、確実に収益を上げることができます。なぜならば、売上と利益があがる仕組みになるまで、それぞれの項目を突き詰めていくからです。ですから、自然に収益のあがる仕組みができあがるのです。つまり、「儲かる仕組み」ができあがるのです。
詳しくは、著書「ビジネスモデル虎の巻!」に書かせていただきました。ご一読いただければ幸いです。

『ビジネスモデル虎の巻!』執筆情報

第3ステップ
アクションプランの構築と外部コミュニケーション戦略

第1ステップは「基軸づくり」、第2ステップは「戦略の構築」、第3ステップは「戦術立案と実行」になります。「アクションプラン」とは、直訳すれば「行動計画」という言葉になりますが、この段階で取り組むことは……

  • ヒト(人材教育)
  • モノ(売れる商品づくり)
  • ハコ(稼ぐ組織づくり)
  • カネ(キャッシュフローの自計化)
  • タネ(情報の受発信の仕組み)
  • つながり(ファンづくり)
  • ブランド(信頼づくり)

の最終段階へと進みます。会社経営の見直しはマーケティングや広告などの手法による「部分最適」ではうまくいきません。会社経営を体系的に整えることで売上や利益が継続的に確保できるのです。「全体最適」を考えた上で「部分最適」を見直すことで会社の体質が改善していきます。

この第3ステップ『アクションプラン』では、構築したビジネスモデルに見合う、「組織づくり」「人材づくり」「商品開発」を進めていきます。自計化システムを導入することにより、経営トップの判断が早まり、スピード経営が実現します。自社の「理想とする顧客」に集中して、 無駄使いの無いリソース(経営資源)にすることで、筋肉質な企業をつくります。

これらの段階を通過したあと、リピーターをファンにして、 会社と商品をブランド化することで、「永続的経営の仕組み」を確立することができます。
アクションプランの構築と外部コミュニケーション戦略

⑥ アクションプラン=組織編 新事業に見合った組織再構築

刻々と社会や人(顧客)の価値観は移り変わっているので、その移り変わりに対応できる人材が、顧客から常に求められています。せっかく社員教育で育成をした社員も組織の「あり方」次第でやる気を失くすことになります。つまり、「組織のあり方」が悪ければ育った社員でも腐ってしまいます。組織にとって重要なことは……

「目的」が明確で、「目標」が具体的で、「行動」に戦略性があることです。

あなたの会社の会議ではこれらの内容について十分理解できるまで話し合っていますか?
「人材育成」も、「組織の活性化」もコンサルティングの真価を発揮する場です。それぞれの職階(階級)の役割と責任。そして、現場におけるそれぞれの立場を自分自身で体験していますので、それぞれの職階(階級)のお立場における、感情やお考えが自分のことのように理解することができます。

⑦ アクションプラン=人材編 新事業に見合った人材の再教育

あなたの会社では、社員教育という場を通して、何を実現させたいでしょうか?

  • 知識や情報を増やしたい
  • 技術の向上を目指したい
  • 経営を理解させたい
  • 自分で考えて行動する人間にしたい
  • 幹部として育てたい
  • 自分の右腕に育てたい
  • 将来は会社を任せたい

本当に多くの期待を持って人材教育に経費をかけていると思います。その会社の目的と目標に見合った独自の社員教育に取り組めば、社員教育プログラムの料金は割高に感じるかもしれませんが、世の中に存在する多くの研修へ社員を複数回も送り出すよりも、結果的に安価で済むだけではなく、その効果は期待通りになるはずです。

⑧ アクションプラン=商品(サービス)編 スクラップアンドビルドによる商品改善と商品開発

この段階も、構築したビジネスモデルの考え方に沿って、商品の改善や開発を進めていきます。「商品」がいつまでも売れ続けるとは限りません。絶えず、世の中は変わってきています。それと同様に、お客様の好みや価値観なども、必ず変わってきています。この段階で取り組むことは……

  • 商品の改善:素材、添加物、機能性、触感、食感、利便性、軽量化、パッケージなど
  • 商品の開発:お客様の嗜好性の変化に対応、お客様が気が付いていないニーズの商品など
  • 商品の展開:同じ考え方の派生商品の開発、同じ材料を使用する商品開発など

今まで作り続けてきたから……という理由だけで、現在の商品を見直さないということは、責任回避か怠慢と言われても仕方ありません。300年続く有名な和菓子も、常に、その時代の人々に好まれるように、味を変えているからこそ商売が継続できるのです。伝統を守るということは、けっして頑固になるという意味ではありません。まさに、「変えるべきもの」と「変えてはいけないもの」を明確にすることが、「不易流行」という考え方です。「不易流行」を考えた上で、「変えるべきもの」を見直して、改善や開発をしていきます。

⑨ 機会を逃さない自計化システムの導入

その月の月末までの数字が1ヶ月の実績になりますが、その実績の数字が3ヶ月後に分かるようでは、適切な経営判断はできません。「週単位の数字目標」と「月次決算の実行」をシステム化することで、翌月末に実績の数字を把握できるため、経営者の即断即決が可能になります。

⑩ プロモーションの構築(広報広告の戦略と戦術つくり)

「経営のブレない軸」や「ビジネスモデル」が構築され、「アクションプラン」が稼働された段階になれば、やっと広報・広告活動が有効化されるため、お客様から供給会社までのステークホルダー(お客様、従業員、株主、債権者、仕入先、得意先、地域社会、行政機関など)へ広告を展開していきます。

⑪ エンゲージメントの構築(ファンつくり)

効果的な広告などを活用することで、より多くのお客様に来店していただくことができます。そして、より良い商品やサービスを提供することで、何回も購入していただけるリピーターが生まれます。これらのリピーターに対して手厚く報いることで、「リピーターの支援化」へと進化させていきます。このように時間をかけながら、多くのファンをつくっていきます。

⑫ ブランドの構築(自社のブランドつくり)

「リピータの支援化」を図ることで、お客様からの熱烈な信頼を獲得できるようにします。さらに深い信頼を得るための、「お客様との約束」を決めます。この「お客様との約束」を社内に浸透させて、お客様に対して裏切らない行動を徹底させることで、自社のブランドを構築していきます。

 【肩書き】 

  1. 未来志向型 経営戦略コンサルタント)
  2. 岐阜県公認 コミュニティ診断士
  3. 中部大学 非常勤講師

プロフィールはコチラ

渡辺ひとしさん