第488話 【アスクルのビジネスモデル】

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第488話 アカルイミライ【未来通信】

今日も読んでいただき有難うございます。

企業の事例をもとに毎月1回
ブログとメルマガを発行しています
経営戦略コンサルタント渡邉ひとしです。

『ChatGPT』が話題になり久しいですが
開発した会社である<OpenAI>は

2015年12月の設立当初のメンバーに
イーロン・マスク氏が存在します。

2018年2月にはイーロン・マスク氏が
<OpenAI>から離れ
役員を辞任したそうですが

『ChatGPT』に対抗する
『TruthGPT』という名称のAIを
開発すると明らかにしています。

併せて
2022年10月に買収した<Twitter>は
マスク氏の意向を受け

アプリ画面などに
お薦めのツイートを出すための
アルゴリズムを公開しましたが

どの言葉をルール違反にするか
という社内ルールも
オープン化しようとしています。

すでに<Twitter>の運営会社は
マスク氏の<Xコーポレーション>と合併し
<ツイッター>の社名は消失しています。

<Twitter>は今後
さまざまな用途に使える
スーパーアプリにしていく意向のようです。

AIの進化は人類の歴史にとって
大きな変革をもたらす存在になり得ます。

私たちは当面の間
注視する必要がありそうです。

今日も企業のビジネスモデルに
注目してみましょう。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ外部環境のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や経営を観察することで
自社に活かしてください。

今日の企業事例は第488話
<アスクル>のビジネスモデル

(*写真はイメージです)

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事務用品が中心の通信販売会社

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1963年11月に
<プラス>の完全子会社として
<プラス工業>が設立されました。

1993年3月に
<プラス>のアスクル事業部が
アスクル事業を開始しました。

<プラス工業>が<リンクス>に
商号を変更しました。

1997年2月に
<リンクス>が目的変更の上
<アスクル>に商号を変更しました。

1997年5月に
<プラス>よりアスクル事業を譲受し
営業を開始しました。

2009年3月に
自己株式公開買付けを行い
<プラス>が親会社から外れました。

2012年5月に
<ヤフー>が発行済株式総数の
42.47%を取得し筆頭株主となりました。

2017年2月に
埼玉県三芳町の倉庫で大規模火災が発生し
顧客離れなど甚大な被害を受けました。

2017年7月に
<セブン&アイ・ホールディングス>との
ネット通販事業の業務提携を発表しました。

2019年10月に
<ヤフー>の持株会社化に伴い親会社が
<Zホールディングス>になりました。

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<アスクル>のビジネスモデル

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2019年10月に
個人向け通販サイト『LOHACO』が
『PayPayモール』へ出店しました。

<Zホールディングス>は
国内電子商取引で首位になると
目標を掲げていますが

2020年10~11月の消費者調査では
最も利用する総合ECサイトが

・楽天市場41%
・アマゾン38%
・ヤフーショッピング13%

と上位2社との差が大きく
グループの総合力を活かすべく

<アスクル>の『LOHACO』と
<ゾゾタウン>の『ZOZO』が
『PayPayモール』へ出店しました。

2020年12月に
オフィス家具をレンタルできる
家具レンタルサービスを開始しました。

月額料金916円からの支払いの
サブスクリプション・サービスは

すべて新品で最低利用期間は6カ月間
1年までの解約には手数料が発生しますが

1年経過すると追加料金を払わず
商品をもらえます。

2021年12月に発表した  
『2021年6~11月期』の連結決算は
純利益が前期比32%増でした。

主力の法人向け事業では前年の
医療機関や事業所向けに売上が伸びた
感染対策商品の反動減がありましたが

飲料などの生活商材が伸び
増収を確保できました。

個人向け通販サイト『LOHACO』は
スマートフォン決済『ペイペイ』の
大型販売促進が売上高を押し上げました。

飲料などの生活用品や
建設現場で使う工具などの品目を中心に
200万点を増加する予定で

約900万点ある取り扱い商品数を
『2022年5月期』までに
1100万点にする計画です。
 

2021年12月に
環境に配慮した商品を通販サイトなどに
正確に表示するサービスを始めました。

各種団体が環境に配慮していると
認定した商品を購入時に判別しやすいよう
サイトやカタログに目印をつけていますが

今回、『エコマーク』を認定する
<日本環境協会>からデータを取得して

エコマーク認定商品の情報を
法人向けの通販サイトなどで
正確に表示できるようになりました。

ESG(環境・社会・企業統治)を
重視する流れが強まり

オフィスで使用する消耗品は
環境認証を受けた商品を優先して
購入する企業も多く

環境ラベルの表記がある商品を絞り込み
通販サイトなどに正確に表示することで

顧客が認定商品を優先して選べる
サービスを始めました。

<日本環境協会>から
エコマーク認定商品が全て掲載された
データを月に1度取得します。

2022年1月に
食料品や日用品のクイックコマースを
本格的に展開すると発表しました。

2021年7月末から<出前館>と連携し
食料品や日用品を即時配達する実証実験
PayPayダイレクト by ASKULを開始。

配送拠点を4カ所から順次増やし
2021年度中には都内23区に
サービスを広げる計画です。

「首都圏であれば
どこでも15~20分で届けられる物流網」

と即配サービスについて
親会社である<Zホールディングス>の
川辺健太郎社長は述べています。

2022年1月に
仲介サイト<ユアマイスター>と連携し
オフィスの清掃事業を始めます。

通販サイト『ASKUL』で
エアコンなどの清掃プランを提供し
顧客企業のニーズに応じて

<ユアマイスター>が
全国1500社超の中から
派遣事業者を選びます。

2022年1月に
<日野自動車>と配送用電気自動車の
実証実験を始めると発表しました。

<日野自動車>の電気自動車2台を
アスクルの配達業務に活用するほか

<CUBE-LINX>のシステムを使い
電池残量に合わせた配送ルートを策定し
効率的な運用を後押しします。

2022年2月に
『Yahoo!マートby ASKUL』と名付け
クイックコマースの事業化を発表しました。

2022年度中に
数十店の配送専用の店舗を展開し
東京23区全域で利用できるようにします。

2022年7月に発表した
『2022年5月期』の連結決算は
純利益が前期比19%増でした。

コロナ禍で増加した
感染対策商品の販売が
反動で減りましたが

建設業や製造業の現場で使われる
消耗品などが伸びました。

需要のある飲料などの
生活用品の売上が伸び

法人向け通販事業は増収で
2期連続で最高益となりました。

2022年10月に
商品の環境配慮レベルを示す
スコアの公開を始めました。

採点基準として原材料や設計
回収・再生の仕組みなど30の項目で
独自の環境基準を策定しました。

採点結果は『環境スコア』として
規格や数量などの情報と並べて
商品ページに表示します。

1200万点ほどの取扱商品のうち
自社のオリジナル商品を対象としますが

将来は各メーカーと協力し
自社商品以外のスコア表示も目指します。

2023年4月に
プラスチック容器の『水平リサイクル』の
実証実験を始めたと発表しました。

プラスチック容器を樹脂にして
再びプラスチックとして活用する
『水平リサイクル』の実証実験ですが

<花王>のグループ企業と組み
『ハンドスキッシュアルコール消毒剤』の
使用済み容器を回収します。

2023年4月に
2017年の埼玉県三芳町の物流倉庫の火災で
東京地裁は愛知県の紙加工会社に
損害賠償の支払いを命じました。

愛知県の紙加工会社<宮崎>の従業員による
フォークリフト作業に過失があったとし
約51億円の支払いを命じました。

段ボールが集積された場所で
作業スペースを確保するために
フォークリフトの前進と後退を繰り返し

可燃物がエンジンルームに混入するなどして
火災が発生したと判断し 
その危険が予見できたと指摘しました。 
         

今日の企業事例である
<アスクル>を
少し俯瞰してみましょう。

2023年3月で創業30周年を迎えました。

創業当時の主力はカタログ通販から
電子商取引サイトへと移り

新規顧客を獲得する販売促進も
電子商取引の比重が高まりました。

そこで<Zホールディングス>の
リスキリングの社内大学で
AI活用スキル育成講座を学び

新規来訪者のクリック率を
従来に比べて3割高めるなど

データ分析や推薦といった処理に
AI技術を活用したのが

データ分析に基づく事業戦略企画の
担当者である保田大輝氏です。

「履歴データの蓄積がない新規来訪者にも
より効果的な推薦ができるようになった」

「経験頼みの仮説は以前からあったが
AI技術を生かして
仮説を裏付けることができた」

と<Zホールディングス>が取り組む
AI人材のリスキリング活動の成果を
述べています。

2023年4月に<Zホールディングス>
<ヤフー><LINE>の3社を中心に
合併すると発表しました。

10月1日付で設立する新会社の社名は
<LINEヤフー>にすると発表。

グループ企業間の相乗効果が課題で
傘下の<アスクル>にとっても
重要なテーマとなります。

ロハコ事業を共同で立ち上げた時から
<ヤフー>からエンジニア出向を受け入れ

現在も企業向けシステムの開発で
約20人のITエンジニアを受け入れています。

2019年に<Zホールディングス>と
ロハコ事業をどちらが持つのがよいかを巡り
溝が生じましたが

<Zホールディングス>内では現在
人材交流やノウハウの共有は活発です。

子会社で工場や建設現場で使われる
工具などの購買支援サービスを手掛ける

<アルファパーチェス>が2022年12月に
東証スタンダード市場で上場しました。

大手企業向けに購買システムを
カスタマイズするのが得意分野ですが

<アスクル>は企業を問わず
均一サービスを手掛ける事業です。

アスクルグループとして
企業価値を向上する狙いです。

今後は<ソフトバンクグループ>内で
これまでの独自性を維持できるか?

同業の<MonotaRO>の営業利益率は
『2022年12月期』で11.6%ですが

<アスクル>の『2022年5月期』の
営業利益率は3.3%と低調です。

どのように利益率を上げていくのか?

従来のビジネスモデルを見直し
新たなビジネスモデルを生み出すのが
当面の課題となっています。

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*メルマガは毎月第1月曜日発行
次回は2023年6月5日の予定です。

★前回までの『事例企業』です。

オープンハウスグループ
明治ホールディングス
味の素
ローソン
東芝
ユニクロ
JR東日本

★上記以前に取り上げた480の企業事例は
 下記のブログで読むことができます。

Amebaブログ
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【投稿内容】
投稿内容の企業情報及びデータなどは
新聞や雑誌、ホームページなどの
公開情報に基づいた記述です。

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編集・発行元
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◆オフィス
株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
経営計画士協会 代表理事
経営戦略コンサルタント
経営計画士

渡邉ひとし

Mobile:080-4806-1553
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
ホーム頁:https://mirai.brand-keiei.com

紹介記事1:https://mbp-japan.com/gifu/mirai-designcompany/
紹介記事2:https://humanstory.jp/watanabe_hitoshi/
紹介記事3:https://syoukei-senmon.net/gifu/14457/

(社)ビジネスモデルイノベーション協会
ビジネスモデルコンサルタント

(社)SDGs支援機構
SDGsビジネスコンサルタント

(社)日本経営心理士協会
経営心理士

(社)コミュニケーションスキル協会
上級スピーチ・アップグレーダー
対人関係コミュニケーション・アップグレーダー

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<令和2年度迄>
中部大学 非常勤講師
人文学部心理学科

<令和元年度迄>
愛知産業大学 非常勤講師
経営学部経営学科
造形学部建築学科
造形学部デザイン学科

<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』

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