【第377話】< 住友重機械工業 >のビジネスモデル

Posted on Posted in お知らせ

[ 未来志向型経営戦略:未来通信 040]

おはようございます。

未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。

中国・武漢から発生した
『新型コロナウイルス』が
中国本土で急速に感染拡大しています。

中国に工場を持つ日本企業や
中国から部品・材料などを輸入している
日本メーカーにとって

今後の生産量や納品スケジュールに
多大な影響を及ぼすことが予想されます。

現時点では
まったく予測不能な事態が起きています。

世界の設備投資の動向に
左右されやすい企業のなかに
重工メーカーがあります。

今日のメルマガの企業事例は
< 住友重機械工業 >です。

大企業の企業事例を読んで
変化する経営環境を読み取っていただき

ぜひ自社の事業に照らし合わせながら
新たな取り組みに生かしてください。

*無料相談をお受けしています。
(詳細はブログ下部に記載)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ビジネスモデルの企業事例
【第377話】< 住友重機械工業 >

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日の企業事例[第377話]は
『設備投資の動向に左右されない商品開発』

==============================

合併を繰り返してきました

==============================

1888年11月に
別子銅山の機械設備の製作を担当する
『工作方』として創業しました。

1928年に
<住友別子鉱山>新居浜製作所へ
改称しました。

1940年9月に
<住友機械工業>に商号変更しました。

1945年12月に
<四国機械工業>に商号変更しました。

1952年5月に
<住友機械工業>に商号変更しました。

1969年6月に
<住友機械工業>と<浦賀重工業>を合併
<住友重機械工業>を設立しました。

1995年10月に
艦艇造船事業を< IHI >と統合して
<マリンユナイテッド>を設立しました。

2015年10月に
<三菱重工マシナリーテクノロジー>の
産業用クレーン事業を譲受しました。

2018年4月に
子会社の<住重富田機器>と
<住重テクノス>を吸収合併しました。

=============================

< 住友重機械工業 >のビジネスモデル

=============================

2018年11月に
難治性がんで薬剤を使い治療効果を高める
臨床試験の取り組みが報道されました。

40年以上に渡る加速器製造技術を応用し
1989年から国内大学との共同研究で
陽子線を発生するサイクロトロンを開発し

陽子線治療の照射機構を含めた
陽子線治療システム一式を提供しています。

がん細胞が取り込んだ薬剤から放射線が飛び
正常な組織を傷めずにがん細胞を叩きます。

従来の放射線や抗がん剤で治せない
難治性がんの治療法として期待されています。

2019年1月に
グループ会社などの製品データ検査について
不適切な検査が判明したと発表しました。

不正が発覚したのは
<住友重機械工業>の
『プラスチック機械事業部』と

<住友重機械搬送システム>
<住友重機械ギヤボックス>
<住友重機械精機販売>です。 

動く歩道の定期点検などで
無資格者が点検したり

検査結果のデータを書き換えて
顧客に提出したりしていました。

<住友重機械工業>の別川俊介社長は……

「コンプライアンス最優先の意識が
浸透していなかった」と説明しました。

<住友重機械工業>は
2018年6月にグループ企業の
建設機械などでの不正を公表していて

7月、8月、10月と
次々に新たな不正を公表していました。

社外取締役を委員長とする
特別調査委員会を設置して

3月末までをめどに詳細な原因究明と
再発防止策をまとめます。

2019年2月に
体を傷つけることなく前立腺がんを見つける
診断技術を開発すると表明しました。

<北海道大学>や原子力施設メンテナンスの
<アトックス>などと共同で開発します。

前立腺がん特有のたんぱく質に結合する
診断薬を投与して画像診断装置を使い

体を傷つけることなく前立腺がんの
位置や大きさが分かる診断技術です。

高齢者の増加に伴い
前立腺がん患者が増える見通しです。

2019年2月に
下村真司取締役専務執行役員が4月1日付で
社長に昇格する人事を発表しました。

下村真司氏は主力子会社である
<住友建機>の社長を務めています。

下村真司氏は検査不正などの再発防止に
力を入れるとともに

「人材の多様性と技術を生かして
いかなる需要環境でも通じる
一流の商品を提供していきたい」

と述べています。

2019年3月に
品質管理に関する一連の不適切行為について
再発防止策を公表しました。

品質やサービスに関する法令などを
軽視していたほか

不適切な検査を許す品質管理プロセスに
不備があったことなどを原因として
指摘しています。

コンプライアンス(法令順守)の最優先や
業務品質の改善など
経営方針を徹底するとしています。

別川俊介社長は責任を取り
月額報酬20%を2カ月間返上します。

2019年5月に発表した
『2019年3月期』の連結決算は
純利益が前期比32%増と過去最高でした。

建設機械事業は北米や中国で
ショベルや建設クレーンの受注が伸び

バイオマス発電設備や
水処理プラントなど環境・プラント事業も
受注を伸ばしました。

2019年7月に
小惑星『りゅうぐう』の地中の砂の採取に
探査機『はやぶさ2』が成功しました。

4月には人工クレーターをつくり
地中の砂や岩石を飛び散らせてあり

それを機体に取り込む役割を果たしたのが
<住友重機械工業>が開発した
ジャバラ状のもので

舞い上がった砂を内部に送り込む
機体下部にある筒状の部品の
『サンプラーホーン』でした。

2019年9月に
モーターを制御するインバーターのメーカー
<インバーテック>の買収を発表しました。

英国<インバーテック>は1998年創業で
モーターの制御ソフトウエア技術も持ち

欧州・北米を中心に80カ国以上で
顧客基盤を抱えています。

2019年11月に
『2020年3月期』の連結純利益見通しを
19%減と予想から90億円下げました。

米中貿易摩擦による景気悪化で
設備・インフラ投資が縮小し
中国企業の投資意欲は落ち込んでいます。

2020年1月に
下村真司社長はボイラー事業は将来的に
新たな取り組みが必要と述べました。

欧州を中心に
再生可能エネルギーが台頭してきており

「バイオマス発電向けも
2〜3年は良い状態だろうが
将来的に新たな取り組みが必要」

「廃棄物の活用や小規模発電の提案を
東南アジアで強化したい」

と下村真司社長は取材に答えています。

2019年の秋以降の状況を鑑みて
今期の業績見通しを引き下げました。

米中貿易摩擦による景気悪化で
中国の企業による設備・インフラ投資が
縮小したことが要因でしたが

2020年2月に
中国での『新型コロナウイルス』の
感染拡大が続いている現状では

中国の景気回復の兆しは
まったくの不透明と言わざるを得ません。

中国に工場を持つ日本企業の生産や
中国に輸出をしている日本の企業。

中国からの部品や材料の供給を待つ
日本の企業にとっても
その悪影響は計り知れません。

大手の重工メーカーの業績は
世界の顧客企業の購買意欲の影響で
大きく浮き沈みします。

<住友重機械工業>の下村真司社長は……

「いかなる需要環境でも通じる
一流の商品を提供していきたい」
と述べていますが

検査不正などの再発防止に力を入れて
ガバナンスを強化することと

いかなる需要環境でも通じる一流の商品を
成長の柱として育成することが
喫緊の課題になります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日の事例で何を学べるでしょうか?

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

世界の設備投資の動向に
左右されやすい会社は……

いかなる需要環境でも
通じる一流の商品を

成長の柱として育成することで
安定した収益を得ることができる。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【お知らせ:無料相談のご連絡先】
守秘義務契約を厳守する
経営戦略コンサルタントです。

お気軽にお申し込みください。
▼メールでのお申し込み
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp

▼携帯電話でのお申し込み
Mobile:080-4806-1553

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

*次回は
 2月14日金曜日の配信予定です。

★先号までのメルマガで取り上げた
 『企業事例』です。

出光興産
富士フイルムホールディングス
クレディセゾン
ビズリーチ
ゼンショーHD
ヤマダ電機
クボタ
日清食品ホールディングス
メルカリ
マツモトキヨシホールディングス
日本電産
パソナグループ
日本郵船
USCJ
日本ペイントホールディングス
タカラトミー
SGホールディングス(佐川急便)
シャープ
JXTGホールディングス
バンダイナムコホールディングス
東レ
ワタミ
ゆうちょ銀行
DeNA(ディー・エヌ・エー)
リクルートホールディングス
良品計画
オービック
楽天
愛知製鋼
モスフードサービス
インターネットイニシアティブ(IIJ)
住友電気工業
第一三共
積水ハウス
セブン&アイ・ホールディングス
カルビー

★上記以前の340ほどの企業事例は
 下記のブログで読むことができます。

Amebaブログ
http://ameblo.jp/rabbit-g/

Ameba0wnd
http://www.shikumi.solutions

Facebook頁
https://www.facebook.com/hitoshi.business.model

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【投稿内容】
投稿内容の企業情報及びデータなどは
新聞などの公開情報に基づいた記述です。

=============================

著書「ビジネスモデル虎の巻!」
Amazonでご購入いただけます!
▼本の画像をクリックしてください。

『ビジネスモデル虎の巻!』執筆情報

放送作家の知久哲也氏による
著書の記事が掲載されました!
▼Yahoo!ニュース
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190305-00010000-mediagong-ent

=============================

『なぜ、未来志向型経営なのか?』
▼解説のブログはこちらから
https://ameblo.jp/rabbit-g/entry-12458620714.html

『なぜ、大企業の事例が参考になるのか?』
▼解説のブログはこちらから
https://ameblo.jp/rabbit-g/entry-12461658015.html

——————————————
編集・発行元
——————————————

株式会社 未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型 経営戦略コンサルタント
岐阜県公認 コミュニティ診断士
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし

◆オフィス
 〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
 TEL:052-766-6988
 Mobile:080-4806-1553
 Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
◆ホームページ
 mirai.brand-keiei.com

——————————————
(C) Copyright 2019 mirai design company All rights reserved.
——————————————