第466話 【アイリスオーヤマのビジネスモデル】

Posted on Posted in お知らせ

第466話
【アイリスオーヤマのビジネスモデル】

おはようございます。
今日も読んでいただき有難うございます。

隔週月曜日に企業の事例をもとに
ブログとメルマガを発行しています
経営戦略コンサルタント渡邉ひとしです。

昨年の2021年頃から
『パーパス経営』という言葉が
よく聞かれるようになりました。

ミッション、ビジョンという言葉が
当たり前のように使われるようになり

目新しさを求め
『パーパス』という言葉が
浮上してきたと解説する人もいます。

本当の意味での
『リーダー』という存在が
求められていると言われる時代を迎え

会社や組織の中で
『リーダー』の役割が
より一層大きくなっています。

『パーパス』とは会社だけでなく
上司という立場の人にも
求められていると考えています。

上司と部下の関係に於いて
円滑なコミュニケーションとは
どのようなものなのか?

上司という立場の人が
自分の『存在意義』が問われていると
気付ける人が何人いるか?

『パーパス』とは会社や組織だけでなく
経営者や幹部社員にも
突きつけられている課題なのです。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第466話
<アイリスオーヤマ>です。

(*写真はイメージです)
==============================

生活用品の企画、製造、販売会社へ

==============================

1958年4月に
大山森佑氏が大阪府東大阪市で
<大山ブロー工業所>を創業しました。

1964年に
大山森佑氏の急逝に伴い
19歳の大山健太郎氏が引き継ぎました。

1971年4月14日に
<大山ブロー工業>を大阪府東大阪市に
法人化して改組しました。

1972年に
宮城県南部に新設した仙台工場を
主力工場として稼働しました。

1986年4月に
<オーヤマ>を設立しました。

1989年に
本拠地を仙台市へ移転しました。

1991年に
<アイリスオーヤマ>に
商号を変更しました。

2005年10月に
ペットと暮らす家庭向け空気清浄機を
<シャープ>と共同開発し発売しました。

2007年1月に
マスク事業を開始しました。

2009年8月に
LED電球『ECOLUX』を発売し
LED照明事業を開始しました。

2014年4月に
ホームセンター『ユニディ』を運営する
<ユニリビング>をグループ化しました。

2016年3月に
電子部品大手<ローム>の照明事業を
買収する契約を締結しました。

=============================

<アイリスオーヤマ>のビジネスモデル

=============================

2020年2月に
高卒女子の2020年春採用(内定者)は
前年比16%増の見込みと表明しました。
  

インターネット通販事業を強化するため
女性の採用に力を入れていて
5年前に比べると2倍の規模となります。

通販サイトの見栄えなどに
きめ細かく配慮できる女性を起用し
事業の拡大につなげる考えです。
 

2020年2月に
ドイツの国際的デザイン賞での
サーキュレーターの受賞を発表しました。

『iFデザインアワード』のプロダクト分野で
中国や米国など8カ国・地域で発売された
国外向けサーキュレーターが受賞しました。

2020年3月に
新型コロナウイルス対策のマスク100万枚を
政府に供給すると発表しました。

中国の大連と蘇州工場で
マスクを生産していますが
国内9工場の物流拠点から出荷します。

2020年4月に
監視などで使うネットワークカメラの
販売に参入すると表明しました。

人工知能を搭載し人物の性別や年齢層
店舗の混雑状況の変化などを識別できます。

従来の防犯の用途に加え
マーケティングでの活用も促進します。

2020年5月に
事前に決められた簡単な言葉で操作できる
ルームエアコンを発売しました。

『airwill GVシリーズ』は
独自の音声認識システムを搭載しており
語りかけるとシステムが起動します。

「利用者の間で共感の輪を広げていきたい」

とTV・OA機器事業部の
鴫原秀郎マネージャーは述べています。

2020年8月に
スポーツ施設の施工や保守管理などの
<コウフ・フィールド>と業務提携しました。

サッカーや野球など競技場で使われる
人工芝の施工ノウハウを共有し

販売から維持管理まで一貫した
サービスを提供できるようにします。

2020年11月に
タイのバンコクに設立した
現地法人が稼働しました。

東南アジア諸国連合内では
2018年に稼働したベトナムに次いで
2つ目の現地法人となりますが

現地の大手チェーン店や
電子商取引事業者への販路拡大が
当面の目標になります。

2020年11月に
病院などでの需要が多い医療用マスク
などの生産体制をつくると表明しました。

製造業の国内回帰を支援する
政府の補助金を申請し

医療用高性能マスク『N95』や
除菌ウエットティッシュの
製造設備を導入します。

2021年1月に発表したグループ全体の
『2020年12月期決算』は売上高が
前期比38%増と過去最高でした。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け
生産を増やしたマスクの販売が伸び
利益率が改善しました。

新型コロナ関連では
人工知能で発熱者を検知する
サーマルカメラも好調でした。

巣ごもり需要関連の商品も堅調で
電気圧力鍋などの調理家電や

在宅勤務向けの机や椅子なども
売上を押し上げました。

2021年1月に
福島県南相馬市に拠点となる
南相馬工場の建設を始めました。

特定の製品だけでなく包装資材まで
幅広く生産する複合工場で

パックご飯用のフィルムや
人工芝などを製造する方針で

具体的な生産計画は
今後詰めていく考えです。

2021年2月に
<ソフトバンクロボティクス>と
ロボット事業に参入しました。

共同出資で新会社となる
<アイリスロボティクス>を設立し

配膳など法人向けロボットの
開発・販売を手がけます。

2025年までに累計で
1000億円の売上を目指す考えです。

2021年2月に
静岡県の富士小山工場で
ミネラルウオーターの生産を始めました。

初年度は50億円の売り上げを見込み
全国のスーパーやホームセンター
インターネット通販などで販売します。

2021年4月に
プロジェクター事業の国内での営業権を
<マクセルHD>より譲受しました。

<アイリスオーヤマ>が
国内の営業を全て手掛け

製造とアフターサービスは
<マクセルHD>が継続します。

2021年5月に
岡山県瀬戸内市に家電製品工場を
新設すると発表しました。

約8万パレットの自動倉庫を備えた工場を
2024年12月に着工し
25年10月の完成を予定しています。

国内工場は10件目で
中四国には初の進出となり
中四国エリアの製造・物流拠点とします。

2021年7月に
<NTT都市開発>から仙台市にある
アーバンネット卸町ビルを取得しました。

仙台市に3つの自社ビルを構えていますが
採用人数が増えており
拠点の拡充が課題でした。

2022年1月に発表した
グループ全体の『2021年12月期』は
売上高が前期比17%増でした。

新型コロナウイルスの感染拡大で
マスクなどヘルスケア関連の
商品が好調だったほか

製品ラインアップを増やした
エアコンや調理家電が
けん引役となりました。

原料高や電子部品の調達難が重荷となり
経常利益は前期比17%減と
3期ぶりに減少しましたが

売上高は32期連続で
最高を更新しました。

2022年2月に
埼玉県が表彰する『第20回渋沢栄一賞』を
大山健太郎会長が受賞しました。

優れた企業活動と社会貢献活動を
実践している経営者を表彰する賞で

生活者の日常の不足や不満を解消する
多くの商品を開発・販売し

事業などを通じて
東日本大震災の被災地復興に積極的に
取り組んでいるなどが評価されました。

今日の企業事例である
<アイリスオーヤマ>を
少し俯瞰して見てみましょう。

2022年1月に
『2022年12月期』の売上高目標を
引き下げると発表しました。

売上高1兆円を掲げてきましたが
サプライチェーンの混乱や

原料高騰など事業環境を反映し
前期比20%増の9800億円としました。

「1兆円の大台を目指したいが
サプライチェーンの混乱や
インフレへの対応が先決だ」

と大山晃弘社長は述べています。

<アイリスオーヤマ>は
園芸用品から家電、食品まで

シンプルで手ごろな価格帯を中心に
約2万5000点に及ぶ商品を
生産・販売しています。

世界的に電子商取引へのシフトが加速し
欧米を含めて国内外で
30を超える工場を持っています。

しかしコロナ禍で海外での
ロックダウン(都市封鎖)の影響で

製造や販売のサプライチェーンの
混乱を招いています。

「できるだけサプライチェーンを
短くして内製化も進める」

と海外の供給網の分散を進める考えを
<アイリスグループ>の
大山健太郎会長は述べています。

2022年2月に
<ソフトバンクロボティクスグループ>に
100億円出資したことを発表しました。

「脱炭素や省エネルギー社会の
実現に貢献するとともに
人間とサービスロボットの協働を実現したい」

と大山晃弘社長は
出資の狙いについて述べています。

さらに
「ロボット事業はアイリスの法人向けの
最上位に位置づけている」

と大山晃弘社長は述べています。

機能の拡充などを進めて
業務用ロボットを次の稼ぎ頭として
育てる方針を示しています。

大山健太郎会長は父から
プラスチック加工会社を引き継ぎ

下請けでの仕事を嫌い
漁業に使うブイを初めて
自社商品として開発しました。

その後
農業用のプラスチック資材から
衣類の収納ケースへ

さらに広範囲な家電製品へと
主力の事業領域を変化させてきました。

今後は日本の少子高齢化だけでなく
欧米で10〜20年後に来る高齢化での
労働力不足を確信しています。

『ロボット』という新たな事業領域で
どれだけ早く本格稼働できるかが
当面の課題となります。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

*メルマガは隔週月曜日
次回は3月7日月曜日の予定です。

★前号までの『企業事例』です

マルハニチロ
スシロー
ドン・キホーテ
オリックス
三井住友海上火災保険
ZOZO
メルカリ
LIXIL
ヤクルト本社
カゴメ
ユニ・チャーム
コーセー
ヤマハ
三越伊勢丹ホールディングス
コマツ
NEC(日本電気)
大王製紙
パナソニック
セイコーエプソン

★上記以前に取り上げた445の企業事例は
 下記のブログで読むことができます。

Amebaブログ
[link]http://ameblo.jp/rabbit-g/

Facebook頁
[link]https://www.facebook.com/hitoshi.business.model

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

【投稿内容】
投稿内容の企業情報及びデータなどは
新聞や雑誌、ホームページなどの
公開情報に基づいた記述です。

=============================

『なぜ、未来志向型経営なのか?』
▼解説のブログはこちらから
[link]https://ameblo.jp/rabbit-g/entry-12458620714.html

『なぜ、大企業の事例が参考になるのか?』
▼解説のブログはこちらから
[link]https://ameblo.jp/rabbit-g/entry-12461658015.html

——————————————
編集・発行元
——————————————

◆オフィス
株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
経営戦略コンサルタント
渡邉ひとし

Tel:052-766-6988
Mobile:080-4806-1553
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
ホーム頁:https://mirai.brand-keiei.com

紹介記事1:https://mbp-japan.com/gifu/mirai-designcompany/
紹介記事2:https://humanstory.jp/watanabe_hitoshi/
紹介記事3:https://syoukei-senmon.net/gifu/14457/

(社)ビジネスモデルイノベーション協会
   ビジネスモデルコンサルタント

(社)SDGs支援機構
   SDGsビジネスコンサルタント

(社)日本経営心理士協会
   組織心理士、顧客心理士、
   ビジネスコミュニケーション心理士

=============================

<令和2年度迄>
中部大学 非常勤講師
人文学部心理学科

<令和元年度迄>
愛知産業大学 非常勤講師
経営学部経営学科
造形学部建築学科
造形学部デザイン学科

<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』
*Amazonでご購入いただけます

——————————————
メールマガジンの登録・アドレス変更
——————————————

このメールマガジン(メルマガ)は
渡邉均(ひとし)と過去に名刺交換など
コンタクトがあった方へお送りしています。

◎メルマガに御登録していただく方は
 下記をクリックして登録できます。
*迷惑メールに振り分けられることが
 あるため受信トレイで
 『受け取る』の設定をお願いします。
▼【メルマガ登録のお手続き】
[link]https://maroon-ex.jp/fx92396/wRhYJx

◎メールアドレスを御変更の方は
 下記をクリックして変更できます。
▼【アドレス変更のお手続き】
[link]https://twelfth-ex.com/chg/92396/2/

◎このメールに関するお問い合わせは
 下記までお願いいたします。
▼【お問い合わせのメールアドレス】
mirai-design@ogaki-tv.ne.jp

◎このメルマガの転送は自由です。
 お友達などへ転送してください。
 但し、掲載された記事内容を
 転載することは禁じます。

◎このメルマガが御不要な方は
 下記をクリックして解除していただけます。
▼【配信停止のお手続き】
[link]https://maroon-ex.jp/fx92396/osjFnT

——————————————
(C) Copyright 2022 mirai design company All rights reserved.
——————————————