第462話
【オリックスのビジネスモデル】
おはようございます。
今日も読んでいただき有難うございます。
隔週月曜日に企業の事例をもとに
ブログとメルマガを発行しています
経営戦略コンサルタント渡邉ひとしです。
上場企業の早期・希望退職を
2021年に実施した企業は
80社余りで1万5000人超に達します。
2020年は92社・1万8635人で
2年続けて高い水準を維持しています。
コロナ禍で業績悪化に拍車を掛けた
アパレル関連や観光関連などが多く
最後の手段を選ばざる得ない状況です。
その他にも
外食関連や広告・イベント関連など
コロナによる影響が大きいといえます。
新たにオミクロン株による市中感染も
国内で徐々に増え始め
年明けの感染爆発が懸念されますが
市場の将来性を見越しての
全社員を対象にした人員削減は
今後もしばらく続きそうな気配です。
2008年から言われ続けている
『100年に一度の大転換期』に入り
これに真正面から向き合うことで
自社の変革に本気で取り組んでいれば
多少の災禍に動揺することも少なく
立ち直るための体力も残っているはず。
短期的な対応に追われていると
その先の光を見失いかねません。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第462話
<オリックス>です。
(*写真はイメージです)
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多角的な金融サービスの会社です
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1964年4月に
3商社5銀行により<オリエント・リース>
として設立されました。
1972年3月に
<オリエント・リース・インテリア>を
設立しました。
1973年2月に
<オリエント・オートリース>を
設立しました。
1979年6月に
<ファミリー信販>を設立しました。
1988年10月に
<阪急ブレーブス>を買収しました。
1989年4月1日に
<オリエント・リース>から
<オリックス>に商号を変更しました。
1991年4月に
<オリックス・オマハ生命保険>を
設立しました。
1998年4月に
<山一信託銀行>を買収しました。
1999年3月に
<オリックス・リアルエステート>を
設立しました。
2010年5月に
<マネックス証券>と
<オリックス証券>が合併しました。
2014年6月に
宮内義彦氏が取締役兼代表執行役会長・
グループCEOを退任しました。
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<オリックス>のビジネスモデル
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2020年8月に発表した
『2020年4~6月期』の連結決算は
純利益が前期比28%減でした。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で
ホテルや旅館の運営収入が減り
航空機リース事業では
機体の売却益が減りました。
2020年8月に
スーパーマーケット<バロー>2店舗に
太陽光発電の設備を備えました。
スーパー2店舗の屋根に
太陽光発電設備を設置する電気の一部を
リチウムイオン蓄電池に蓄えていて
災害で停電が起きてもスーパーの事業を
続けられるメリットがあります。
第三者が企業から施設や敷地を一部借り
発電するという『第三者所有モデル』
といわれる形式で設置しました。
2020年8月に
ドローンを使って太陽光発電用パネルの
点検を代行する事業を始めました。
専門のスタッフが操作して
異常がある箇所を人工知能が
自動で分析します。
2020年8月に
取引先の航空会社の8~9割から
支払い遅延の要請があると表明しました。
「航空会社の経営の影響を
我々も受けている」
と<オリックス>の
矢野人磨呂執行役財経本部長は述べています。
支払い遅延の要請を受けた
6割程度に応じたと表明しています。
2020年8月に
<ソニー銀行>と金融商品の販売で
提携したと表明しました。
まずは<オリックス銀行>で
<ソニー銀行>の住宅ローンの
取り扱いを始めます。
秋には<オリックス銀行>が信託商品を
<ソニー銀行>に提供します。
法定相続人以外に相続する際に
遺言書なしに相続先を指定できる
『遺言代用信託』を扱います。
信託銀行の免許を持つ
<オリックス銀行>と
住宅ローンに強みを持つ<ソニー銀行>が
それぞれの商品を融通し合うことで
個人の資産形成に幅広く対応する考えです。
2020年9月に
インドの再生可能エネルギー事業者に
出資すると発表しました。
<グリーンコ・エナジー HD>は
インドの再生エネルギー大手で
原発4基程度に相当する4.4ギガワットの
発電容量を持っています。
さらに8ギガワット以上の
開発案件を抱えています。
2020年9月に
米国で不動産関連の資産を運用する
ファンドを買収すると表明しました。
低所得者向けの住宅建設で得る
税額控除の権利を資産化したもので
投資家からの運用資産を増やして
手数料収入を拡大する狙いです。
2020年9月に
化学物質で汚染された工場跡地などの土地を
再活用するための助言サービスを始めました。
<損害保険ジャパン>と組むことで
土地の浄化工事や工事費用を抑えるための
保険をセットで提供することができ
融資などの金融機能と組み合わせて
売却や再開発など浄化後の土地活用を
<オリックス>は提案することができます。
2020年11月に
次世代通信規格『5G』のインフラ事業に
参入すると表明しました。
5G通信に必要な基幹機器メーカー
<アプレシアシステムズ>の
全株式を取得しましたが
場所を限定して使う『ローカル5G』の
システムを主に開発して数年以内に
幅広い顧客に売り込む考えです。
2020年11月に
イスラエルの大手ベンチャーキャピタルに
2021年3月までに出資すると表明しました。
<アワークラウド・インターナショナル・
ジェネラルパートナー>は
IT や医療などの次世代技術を使った
有望企業の発掘が得意で
起業が活発なイスラエルで
新たな投資のタネを探る考えです。
2020年11月に
<福岡中央銀行>と個人ローン向けの
保証業務で提携したと発表しました。
<オリックス・クレジット>の
保証を使うことで<福岡中央銀行>は
資金使途を問わないフリーローンの
新商品の取り扱いを始めました。
同様に<東和銀行>とも
保証業務で提携したと表明しました。
2020年12月に
スペインの再生可能エネルギー事業者を
買収すると表明しました。
<エラワンエナジー>は欧州を中心に
14カ国で風力・太陽光発電事業を手がけ
原子力発電所で約3基分に相当する
発電設備を開発し
1万メガワット分以上の計画を持っています。
2020年12月に
<インフォマティクス>を買収し
デジタル地図事業へ参入すると表明しました。
カメラやセンサーで取得したデータを
地図上に重ね合わせて表示する技術で
自動運転や物流の効率化に
不可欠な技術とされています。
2021年2月に
英国の資産運用会社の買収を
完了したと発表しました。
<グラビス・キャピタル・マネジメント>は
ESG関連の不動産やインフラを投資対象の
ファンドを運用しています。
2021年5月に発表した
『2021年3月期』の連結決算は
純利益が前期比36%減でした。
ホテルや旅館の稼働率が落ちたほか
世界的な航空需要の低迷で
航空機リースが大きく減少しました。
20201年12月に
子会社で会計ソフト大手の<弥生>を
米投資ファンドに売却すると表明しました。
<弥生>が手掛ける
クラウドソフトの需要が強まり
企業価値が高まったことから
投資資金を回収するため売却し
売却資金を再生可能エネルギーなどに
振り向ける考えです。
今日の企業事例である
<オリックス>を
少し俯瞰して見てみましょう。
2021年11月から
中小企業のM&A(合併・買収)仲介に
参入しました。
2025年までの5年間に
約60万社が後継者難で
黒字廃業になる恐れがあるといわれます。
経営者の平均的な引退年齢である
70歳以上で後継者のいない中小企業は
2025年に127万社と
日本企業全体の3分の1に
及ぶ可能性があリます。
これまでに築いた数十万社との取引関係や
自社の投資事業で培った
M&Aのノウハウなどで差別化を図ります。
低金利でリースの収益が下がるだけでなく
コロナ禍の影響もあり
祖業のリース業に翳りが見え始めています。
これまでのリース業から
新たな事業へと軸足を移し始めています。
世界の産業が脱炭素に向けて動き始めており
再生可能エネルギー関連の投資を拡大し
次の事業の柱として育成する考えです。
再生エネ開発事業者のM&A(合併・買収)や
発電設備の新規開発など
再生可能エネルギー関連の運用資産を
今後5年間で2倍の1兆円規模にします。
国内で太陽光や風力、地熱などの
発電設備を開発や運営をするほか
欧州やアジア、北米の
再生エネルギー開発大手に
積極的に出資しています。
リースなど祖業の将来性を睨み
出遅れ感のある再生可能エネルギー分野を
次の事業の柱として育成できるかが
当面の課題となります。
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*メルマガは隔週月曜日
次回は1月10日月曜日の予定です。
★前号までの『企業事例』です
三井住友海上火災保険
ZOZO
メルカリ
LIXIL
ヤクルト本社
カゴメ
ユニ・チャーム
コーセー
ヤマハ
三越伊勢丹ホールディングス
コマツ
NEC(日本電気)
大王製紙
パナソニック
セイコーエプソン
★上記以前に取り上げた445の企業事例は
下記のブログで読むことができます。
Amebaブログ
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【投稿内容】
投稿内容の企業情報及びデータなどは
新聞や雑誌、ホームページなどの
公開情報に基づいた記述です。
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『なぜ、未来志向型経営なのか?』
▼解説のブログはこちらから
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『なぜ、大企業の事例が参考になるのか?』
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編集・発行元
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◆オフィス
株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
経営戦略コンサルタント
渡邉ひとし
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公認 SDGsビジネスコンサルタント
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公認 岐阜県コミュニティ診断士
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<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 経営学部経営学科
造形学部デザイン学科・建築学科 非常勤講師
<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』
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