【第458話】
< LIXIL >のビジネスモデル
おはようございます!
経営戦略コンサルタントの
渡邉ひとしです。
今日もブログを読んでいただき
有難うございます。
隔週金曜日に発行していましたが
金曜日から月曜日の発行へ変更しました。
週の平日の始まりの朝から読んでいただき
仕事へのヒントに繋がれば幸いです。
政府の緊急事態宣言や
各自治体における規制などが解除され
新型コロナ感染拡大前の
通常業務に戻りつつある会社も
少しずつ増えてきているようです。
とは言え
『beforeコロナ』の頃と
同じ状態に戻ることはありません。
コロナ禍で業態を変えてしまった
大手飲食チェーンだけでなく
リモートワークに慣れ
巣ごもり消費が日常になった
一般生活者にとっては
それまでの『非日常』感覚だったことが
『日常のライフスタイル』へと
変わってしまったからです。
しかも『7つのテクノロジー』により
従来の暮らしや社会が
確実に変化し続けています。
これからの『新消費生活』が
どのように変わるか?
予測をしながら従来の事業を
変容させていくことが急務です。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第458話
< LIXIL >です。
(*写真はイメージです)
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建築材料・住宅設備機器業界の最大手
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2010年4月に
<住生活グループ>の営業戦略立案を
目的に< LIXIL >が設立されました。
2011年4月に
<トステム>を存続会社として
<INAX><新日軽><LIXIL>と
<東洋エクステリア>を吸収合併し
2代目<LIXIL>に商号変更しました。
2012年4月に
グループの<LIXILビバ>の事業を譲り受け
会員制建築資材卸売り店舗事業を統合。
2013年4月に
『金属・建材カンパニー』と
『住設・建材カンパニー』が統合し
『LIXILプロダクトカンパニー』を新設。
2015年4月に
『LIXIL Water Technology』
『LIXIL Housing Technology』
『LIXIL Building Technology』
『LIXIL Kitchen Technology』
の4つのテクノロジー事業と
販売・サービスを担う
『LIXIL Japan Company』で構成する
新事業モデルを開始しました。
2018年4月に
テクノロジー事業のうち
『LIXIL Kitchen Technology』を
『LIXIL Water Technology』へ統合。
2020年4月に
『LIXIL Japan Company』を廃止し
<LIXILグループ>が新設した
『営業事業本部』へ移管・統合しました。
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< LIXIL >のビジネスモデル
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2020年5月に
伊国の子会社<ペルマスティリーザ>の
米国<アトラス>への売却を発表しました。
創業家の潮田洋一郎氏の主導で買収して
経営不振で足を引っ張ってきました。
その結果、『2020年3月期』の当期利益を
176億円から320億円に上方修正しました。
「基幹事業以外の分野における
リスクを低減し変革を次の段階へと
進めることができる」
と瀬戸社長兼CEOは述べています。
2020年6月に
ホームセンターを運営する上場子会社
<LIXILビバ>を売却すると発表しました。
1977年に旧<トーヨーサッシ>の
子会社として設立された会社で
関東地方を中心に
『スーパービバホーム』など
約100店舗を展開しています。
保有する<LIXILビバ>株を
<アークランドサカモト>に売却します。
本業の住宅設備事業に経営資源を集中させ
資本効率の改善を狙う考えです。
「メーカーに専念する
水回り事業や建材事業を中心にやっていく」
と<LIXILグループ>の
瀬戸欣哉社長兼CEOは述べています。
2020年7月に
発展途上国向けの手洗い器
『SATO Tap』を開発しました。
新型コロナウイルス防止には
手洗いが有効ですが
世界では約30億人が手を洗うことが
困難な状況にあるといわれます。
プラスチック製の本体と
ノズルで構成されていて
途上国でも広く普及している
様々な形状のペットボトルに対応し
水を入れたペットボトルを
取り付けることで
簡易的な水道のように使えます。
2019年11月時点で世界の27カ国に
発展途上国向けの簡易式トイレ『SATO』も
約300万台を出荷しています。
2020年7月に
『株主優待制度』を廃止すると
発表しました。
株主優待対象商品を利用した
リフォーム工事を行った施主に
商品券を送付するなど実施していましたが
公平な利益還元のあり方という観点や
制度の利用者数・利用率なども
検討を重ねて廃止を決定しました。
2020年10月に
新デザインのリノベーション向けの内窓を
全国で発売しました。
新型コロナウイルス感染拡大による
在宅勤務などで家にいる時間が
長くなる傾向にあるため
インテリアに美しくなじむよう
デザイン性を向上させ
高まる快適な住空間の需要を
リフォームで取り込む狙いです。
「これまでリフォームといえば
水回りが中心だったがコロナ禍で
窓やドアへのニーズが高まっている」
とサッシ・ドア事業部長の
田村光宏氏は述べています。
2020年9月に
本社に東京23区内の支社や子会社など
23拠点を段階的に集約すると表明しました。
新型コロナの感染拡大で
在宅勤務を基本にして各拠点の出社率は
4割を超えないよう抑えています。
本社に在籍の約5000人も
在宅勤務に移行しているため
機能を集約してもオフィスなどのスペースは
確保できると判断しました。
オフィスは直接コミュニケーションをとり
新しいアイデアの創出などの場として
位置づける考えです。
2020年10月に
募集人数は1200人で
希望退職を募集すると発表しました。
対象者は事業会社<LIXIL>に在籍する
40歳以上かつ勤続10年以上の
工場の人事総務・経理部門以外や
デジタル部門などを除く
正社員の約9千人です。
新築住宅市場は急速に縮小するなど
取り巻く環境は大きく変化していて
長期にわたる持続的な成長に向け
組織の簡素化やデジタル化の推進といった
重点分野の見直しをする考えです。
2021年1月に
蓄電池『スマート蓄電システム』を
4月1日から発売すると発表しました。
蓄電池『スマート蓄電システム』は
災害警報発令時に自動で充電し
気象データから発電予測を行って
電力消費を予測して充放電を最適化する
人工知能を搭載しています。
ほぼ1日分の電力をためることができ
災害時でも必要最小限の家電を
長時間使えます。
2021年3月に
アルミ建材を生産する前橋工場を
2023年3月末に閉鎖すると発表しました。
国内において住宅着工件数の
減少が見込まれるため
生産体制を見直して効率化する考えです。
2021年3月に
バイオマスプラスチック開発の
企業連合に参加すると表明しました。
<ユーグレナ>のミドリムシ由来の
バイオマスプラスチック開発に向けて
13の企業や自治体でスタートします。
2021年4月に
建具や床材などの『ラシッサ』シリーズの
新商品を発売しました。
室内建具に木目柄の新色を追加するほか
床材には環境に優しい
国産針葉樹合板を採用します。
国産針葉樹合板は
循環利用が可能な材料で
国産のため輸送距離が短く
輸送過程の二酸化炭素排出量を
減らすことができます。
持続可能な開発目標『SDGs』の
達成に向け社会貢献を図る考えです。
2021年5月に発表した
『2021年3月期』の連結決算は
純利益が前期比2.6倍でした。
イタリアのビル建材会社と
ホームセンター運営の<LIXILビバ>の
売却益などが利益を押し上げました。
2021年10月に
『2022年3月期』の業績予想を
据え置きました。
「アルミ価格の高騰が想定以上で
物流網の逼迫(ひっぱく)も
2022年4~6月期まで続きそう」
と瀬戸欣哉社長は
先行きの不透明さを強調しました。
今日の企業事例である
< LIXIL >を
少し俯瞰して見てみましょう。
東京オリンピック・パラリンピックで
< LIXIL >は東日本大震災で被災した
東北地方の仮設住宅から窓サッシを回収し
アルミニウムの塊にリサイクルして
聖火トーチの素材の約3割に採用しました。
< LIXIL >はアルミ材の再利用に
25年以上取り組んでいて
年間約35万トンの二酸化炭素の
排出量を削減しています。
アルミは金属の製造時に
膨大な電力を使いますが
アルミ材を別のアルミ材に
リサイクルする消費電力量は
一から地金を造る場合に比べて
約3%で済むといいます。
超低金利に加え新型コロナウイルス禍での
在宅勤務普及が重なり
アメリカで住宅ブームが発生しています。
木材需要が予想外に膨れ上がり
価格は約1年で6倍まで高騰しました。
丸太の5割をアメリカ
製材の3割をカナダなどからの
輸入に頼っている日本は
木材調達が難しくなっています。
日本の2020年下半期の北米産材の輸入量は
前年同期比で30%減りました。
「大きなリスク要因はウッドショックによる
国内の新築住宅着工の遅れだ」
と< LIXIL >の瀬戸欣哉社長兼CEOは
今年5月の決算説明会で述べています。
2020年11月に
子会社<川島織物セルコン>が実施する
MBOに応じて売却すると発表しました。
MBO(経営陣が参加する買収)に応じて
保有する川島織物セルコン株を
全て譲渡しました。
非中核事業を切り離して
水回り製品やサッシなどに
経営資源を集中させるためです。
イタリアのビル建材会社と
ホームセンター運営の<LIXILビバ>を
非中核事業として切り離しました。
しかし中核事業のハウジング部門は
規模が大きく固定費が重い
アルミの溶解や成型の設備を持ち
損益分岐点が高すぎるといいます。
以前にプロ経営者の藤森義明氏を招き
海外拡大に舵(かじ)を切りましたが
海外での会計不祥事もありました。
成長戦略をどのように描き直すか
経営改革をスピードアップできるかが
これからの課題となります。
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『なぜ、未来志向型経営なのか?』
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<令和元年度迄>
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<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』
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