第455話 <ユニチャーム>のビジネスモデル

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【第455話】
<ユニ・チャーム>のビジネスモデル

おはようございます!

経営戦略コンサルタントの
渡邉ひとしです。

小学校は2020年度
中学校は2021年度
高校では2022年度から

『新学習指導要領』が
全面実施されることはご存知ですか?

学習指導要領の改訂で注目されるのは
『持続可能な社会の創り手の育成』
が明記されたことです。

つまり『SDGsの担い手』を
教育の現場から育成することが
目指されるようになりました。

これからは子供や孫から
「SDGsのこと知らないの?」
と言われることになるかもしれません。

そして
『SDGsの担い手』となった若者たちが
次々と社会人として活躍し始めます。

いま大学の就活の現場では
『SDGsと就活』というテーマで
就職する企業の選定が始まっています。

「SDGsなんて綺麗事は
これまでの経験のように
いつの間にか消えて失くなるよ」

見えていない『時代の進化』に
取り残されないでくださいね。

ビジネスを展開していく視点を
変えていく必要がありそうです。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第455話
<ユニチャーム>です。

(*写真はイメージです)
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建材の製造から衛生用品の大手メーカーへ

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1961年2月に
創業者の高原慶一朗氏が建材を製造する
<大成化工>を設立しました。

1963年に
生理用ナプキンの製造を開始しました。

1974年9月に
<ユニ・チャーム>を存続会社として
<大成化工>を合併しました。

1981年に
ベビー用紙おむつの
『ムーニー』を発売しました。

1986年に
ペット事業及び
幼児教育事業に参入しました。

1992年に
パンツタイプのベビー用紙おむつ
『ムーニーマン』を発売しました。

1995年に
パンツタイプの大人用紙おむつ
『ライフリーリハビリ用パンツ』を発売。

2003年に
不織布立体型使い切りマスク
『超立体マスク』を発売しました。

2016年に
<はごろもフーズ>と共同開発した
パウチ入りキャットフードを発売しました。

2017年に
『超快適マスク息ムレクリアタイプ』
を発売しました。

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<ユニ・チャーム>のビジネスモデル

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2020年3月に
出社禁止を原則としながら引き継ぎなど
必要な際は出社を認めることにしました。

工場やお客様相談センターを除く
国内従業員の6割にあたる約2000人を
在宅勤務としていますが

顔を日々合わせていないために
社員間で仕事内容の重複が懸念され

これを避けるため3月から週に1度
テレビ会議で予定の共有を始めました。

さらに3月末は異動の時期となり
書類の整理などは出社が必要のため
出社を認めることにしました。

2020年4月に
マスクの業界全体の月間供給量について
秋以降に1億枚増やせると表明しました。

<ユニチャーム>の社長であり
<日本衛生材料工業連合会>会長でもある
高原豪久社長は

現状の供給量は7億枚で
3億枚不足しているとの見方を示しました。

2020年5月に発表した
『2020年1~3月期』の連結決算は
純利益が前期比51%増でした。

新型コロナウイルスの流行で
マスクなど衛生用品の販売が好調で

利益率の高い生理用品が新興国などで伸び
不採算事業の縮小など
構造改革を進めた効果も出ました。

2020年7月に
出社の必要がある『コアタイム』を
廃止したと発表しました。

午前7時から午後7時の間で
7時間50分を所定労働時間とし
従業員が自由に選べるようにしました。

原則週2日のリモートワークも継続し
働き方の柔軟性を高める考えです。

2020年8月に
羽田空港ターミナル内に『超快適マスク』
の自動販売機が設置されました。

抗菌加工を施した専用自販機で
閉店している深夜や早朝でも
マスクを購入できるようになりました。

2020年9月に
2021年からアジア向けに
マスクの輸出を始めると表明しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で
品薄が続いていましたが

国内供給量は月10億枚と
不足感は薄れつつあるため

『超快適』『超立体』といった高価格帯の
家庭用不織布マスクをタイやインドなどに
合計月2千万枚を輸出します。

2020年10月に
使用済み紙おむつを回収する実証実験を
東京都で始めると発表しました。

一般の廃棄物として処理されるため
リサイクルは進んでおらず

使用済み紙おむつを回収し
素材を再利用する仕組み作りを進めます。

2020年11月に
ジェンダー平等を後押しする広告を表彰する
日本経済新聞社の広告賞を受賞しました。

国内の全広告を対象にした
アンステレオタイプ広告賞に選ばれました。

性別役割分担の見直しや
女性活躍を支援する目的で
この広告賞は2020年に創設されました。

2021年1月に
医療用高機能マスク『N95』に参入し
月100万枚で量産を開始すると表明しました。

新型コロナウイルス感染再拡大で
『N95』マスク供給が追いついておらず
医療現場で逼迫しているため参入します。

2021年2月に
ウエットティッシュの生産量を3月から
2019年比で2倍に増やすと発表しました。

コロナ禍の衛生意識の高まりで
需要が拡大し2020年の市場規模は
前年比2倍超になりました。

特にアルコールを配合した
製品の需要が大きく今後も
設備改良などで増産を続ける考えです。

2021年2月に
<サントリーホールディングス>と
共同輸送を始めると発表しました。

重い飲料を運ぶ<サントリー>は
これまで積載重量が

規定を超えないよう調整するため
コンテナ内に空間が残っていました。

<ユニ・チャーム>が扱う軽量な
紙おむつや生理用品を積むことで
コンテナを効率的に活用できます。

2021年の二酸化炭素排出量は
2020年実績の2%にあたる
2トンの削減を見込んでいます。

2021年3月に
『2022年4月』入社の新卒採用で
人工知能を活用すると表明しました。

応募者による自己PR動画をAIが分析し
対話能力などの評価を
合否の参考にする考えです。

人工知能の評価を参考にすることで
応募者一人の審査にかかる時間を
2割ほど減らせると見ています。

2021年4月に
口周りを大きな透明フィルムで覆った
『顔がみえマスク』を販売しました。

新型コロナウイルス禍で
マスク着用は定着したものの

口の動きで相手の発言を読み取る
聴覚障害者には
大きな負担を強いることになります。

聴覚障害をもつ人事総務本部の
杉本あゆみ氏は高原社長へ

市販マスクに透明フィルムを
張り合わせた自作のマスクを
周囲に配っている状況を伝えました。

高原社長から指示を受けた
グローバル開発本部は

近隣のろうあ団体に
月に一度は試作品を持って
通い続けました。

具体的なアドバイスを受けるとともに
試作品は40以上に及びました。

通常3年ほどかかる新製品開発の中で
開発に要した時間は5カ月と
異例の短さでした。

『顔がみえマスク』を販売すると
用意した3000枚は
わずか7時間で完売しました。

2021年5月に
ベビー用品の<ファーストアセント>
への出資を発表しました。

<ファーストアセント>は
乳児の泣き声から
感情を分析する技術を持っており

乳児一人ひとりにあった
おむつ開発に生かす狙いです。

2021年7月に
たんぱく質にこだわるペットフード
『Physicalife』を発売しました。

飼い主が近年の健康志向から
自分の食事や飲み物に
気を使うようになり

ペットにも健康志向の意識が
高くなっています。

「人間の健康ブームがペットにも
波及している」

と<ユニ・チャーム>の担当者は
述べています。

今日の企業事例である
<ユニ・チャーム>を
少し俯瞰して見てみましょう。

1990年代後半から
『本業多角化、専業国際化』
をスローガンに

事業の選択と集中で
多くのものを失いながらも
新たな経営資源を捻出し

これらを最大限に生かすべく
グローバル展開に傾注することによって
大きく事業規模を拡大してきました。

<ユニ・チャーム>の高原豪久社長は
この時期を『第二の創業』とすると

これからは
withコロナにおける環境変化を見据え
事業構造をさらに変革させる

『第三の創業』を起こすべき時期に
あると考えていると言います。

そして
従来のビジネスモデルである
『パイプライン型事業』と

『プラットフォーム型事業』を
新たに兼ね備えた

ハイブリッド型企業へのチャレンジを
考えているようです。

『パイプライン型事業』とは
材料を仕入れ生産し運び販売し
代金を回収するといった

一連のバリューチェーンの
プロセス内での自社と

パートナー企業の協働を
最適化することによって

最大の価値を創造するという
ビジネスモデルを指しており

『プラットフォーム型事業』とは
製品やサービスの作り手と

利用者を引き合わせるための
プラットフォームをセットして

その交流の場そのものが
価値の創造と競争優位の源泉となる
ビジネスモデルを指しています。

前述した『顔がみえマスク』は
ハイブリッド型事業の一つである
自社のネットショップ

『ユニ・チャーム ダイレクトショップ』
のみで買い求めることができます。

<ユニ・チャーム>は
2021年2月10日に
創業60周年を迎えています。

『創業の精神』と『イノベーション』
何を守り何を変革していくのかが
これからの課題となります。

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*次回は
 10月1日金曜日の配信予定です。

★前号までの『企業事例』です

コーセー
ヤマハ
三越伊勢丹ホールディングス
コマツ
NEC(日本電気)
大王製紙
パナソニック
セイコーエプソン

★上記以前に取り上げた445の企業事例は
 下記のブログで読むことができます。

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[link]http://ameblo.jp/rabbit-g/

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【投稿内容】
投稿内容の企業情報及びデータなどは
新聞や雑誌、ホームページなどの
公開情報に基づいた記述です。

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『なぜ、未来志向型経営なのか?』
▼解説のブログはこちらから
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『なぜ、大企業の事例が参考になるのか?』
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編集・発行元
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◆オフィス
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代表取締役
経営戦略コンサルタント
渡邉ひとし

Tel:052-766-6988
Mobile:080-4806-1553
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〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
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社団法人ビジネスモデルイノベーション協会
 公認 ビジネスモデルコンサルタント
社団法人SDGs支援機構
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岐阜県
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<令和2年度迄 非常勤講師>
中部大学 人文学部心理学科
<令和元年度迄 非常勤講師>
愛知産業大学 造形学部デザイン学科
<著書>
『ビジネスモデル虎の巻!』
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