経営戦略【ビジネスモデル】
[ 未来通信 0452]
おはようございます!
経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。
7月30日に投稿予定のメルマガを
急遽お休みさせていただきました。
スケジュールが重なり
執筆できなかったことが要因です。
これまで断片的な
『心理学』や『脳科学』の知識で
現場の課題に取り組んできましたが
いつか『実践的な心理学』を
体系的に学びたいと考えていました。
『顧客心理』『経営心理』『組織心理』
『ビジネスコミュニケーション心理』
を体系的に学ぶ機会に出会い
6月から週2回のペースで
オンライン受講に取り組んでいます。
半年間かけて座学と課題の実践
そしてレポートの提出という
若い頃のような体験ですが
コンサルティングの現場で
実践して喜んでいただけることで
モチベーションが高まっています。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第452話
<三越伊勢丹ホールディングス>です。
(*写真はイメージです)
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老舗の<三越>と新興の<伊勢丹>
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2008年4月に
<伊勢丹>と<三越>の共同株式移転により
<三越伊勢丹ホールディングス>を発足。
2009年5月に
子会社として<札幌丸井今井>と
<函館丸井今井>の2社を設立しました。
2009年10月に
<岩田屋>との間で株式交換を実施し
完全子会社化としました。
2010年4月に
<三越>8店舗を地域店舗運営子会社の
8社に事業譲渡しました。
2010年10月に
<岩田屋>が<福岡三越>を吸収合併し
<岩田屋三越>が発足しました。
2011年4月に
関東地区の店舗運営会社を
<三越伊勢丹>として統合しました。
<札幌丸井今井>が<札幌三越>を
吸収合併し<札幌丸井三越>が発足。
2016年3月に
JR名古屋駅前の大名古屋ビルヂングに
『イセタンハウス』がオープンしました。
2018年9月に
<伊勢丹>の相模原店、府中店と
<新潟三越>の閉鎖を発表しました。
2020年8月に
大名古屋ビルヂングの『イセタンハウス』
を閉店しました。
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<三越伊勢丹ホールディングス>のビジネスモデル
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2020年2月に
『三越日本橋本店』に
<ビックカメラ>を開業しました。
<ビックカメラ>と定期賃貸借契約を結び
売り場を貸す『不動産モデル』ですが
定額の賃料を得ながら<三越>が
接客や売り場づくりで協力します。
「家電売り場をつくるのは
長年の夢だった」
と<三越伊勢丹HD>の
杉江俊彦社長は述べています。
店内の雰囲気は
木目調の床にソファを設置し
顧客がくつろぎながら
接客を受けられるようにしました。
<ビックカメラ>の店舗販売員には
<三越>がビジネスマナー研修を実施し
定番の赤いベストではなく
服装もスーツを着用して接客します。
2020年3月に
『伊勢丹新宿本店』で3Dを使った
足の計測機器を導入しました。
足を入れると機器に内蔵したカメラが
15秒程度で足の長さや
幅などを計測します。
既に導入している婦人靴向けが
好調なことから紳士靴にも
対象を広げました。
2020年3月に
首都圏の6店舗を対象に営業時間を
短縮すると発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大で
東京都や埼玉県が週末の外出自粛を
要請したことに対応します。
2020年4月に
『2020年3月期』の連結最終損益が
110億円の赤字になったと発表しました。
新型コロナウィルス禍で
インバウンド需要が激減したほか
外出自粛の影響から国内の居住者の
店頭への来店も減少しました。
「1カ月あたり150億円の
営業減益要因になる」
と全店休業の影響について
杉江俊彦社長は述べています。
2020年6月に
刷新したスマートフォンのアプリに
オンラインの接客機能を取り入れました。
利用者は販売員やスタイリストに
チャットで商品のサイズや色などを
問い合わせることが可能になり
その場で商品を購入することもできます。
2020年6月に
店舗での一斉セールを中止して
ネット通販を強化しました。
従来の衣料品に加え寝具や台所用品など
生活用品や食料品もセール対象とします。
2020年11月に
ネット接客や販売用の専用アプリを
立ち上げてサービスを始めました。
『伊勢丹新宿店』の婦人服や紳士服
時計・宝飾品など14分野の
約200ブランドの全商品が対象で
今後は家具や食品などの
全分野に広げる考えです。
ネット通販との違いは
実店舗の店員が商品を紹介や販売する点で
利用者はチャット上で好みや予算
相談事を打ち込むことで
店員からはおすすめの商品などが返信され
気に入った商品があれば
そのままアプリ上で購入できます。
さらに詳しい相談や
商品説明を受けたい場合は
動画を使った接客を申し込みます。
2021年1月に
実店舗に先駆けて通販サイトで
初売りの専用コーナーを設けました。
取り扱いブランドは約2000と
前年比で30%増やしました。
緊急事態宣言の発令で
実店舗の集客が難しくなっており
ネット通販を強化しています。
2021年2月に
子会社『岩田屋三越』の細谷敏幸社長が
4月に社長に就任すると発表しました。
細谷敏幸氏は構造改革で
地方百貨店を再生した実績があります。
『岩田屋三越』では1000人以上の
全社員と座談会などで直接話し合い
係長級の以上の社員とは
1年かけて一人ずつ面談しました。
部署をまたいだ顧客情報の
一元管理を始めたほか
従業員に接客や在庫管理などの
複数業務を任せるなど
就任1年後に『岩田屋三越』の
営業利益を前期比で80%増と
大きく改善させました。
「百貨店のビジネスモデルは
もう消費者から
受け入れられないのではないか」
と細谷敏幸氏は
記者会見で述べています。
2021年2月に
1994年から営業してきた
『三越恵比寿店』を閉店しました。
駅ビルや近隣の商業施設との
競争が激化し業績が低迷していました。
2021年3月に
『三越伊勢丹研究所』を解散しました。
1967年に伊勢丹研究所として発足し
優れた情報収集力で数カ月から数年先の
ファッショントレンドを予想するなど
『ファッションの伊勢丹』の
イメージを定着させました。
2021年4月に
『2021年3月期』の連結最終損益が
415億円の赤字と発表しました。
従来見通しから赤字幅が
35億円縮小しましたが
今夏の賞与引当金や営業費用など
各種経費の削減が寄与しました。
2021年6月に
『伊勢丹新宿本店』と『三越日本橋本店』の
再開発着手に意向を表明しました。
「単純に百貨店のリモデルで終わらせず
上手にエリアを街にしたい」
と細谷敏幸社長は述べました。
百貨店を中心にオフィスビルやホテル
住居などを配置し回遊性を持たせた
再開発を目指す考えです。
2021年8月に
百貨店初の不用品買い取りサービスを
今秋から始めることを表明しました。
服や宝石、絵画、楽器などが対象で
どこで購入したかは関係なく
顧客にはその場で現金で支払います。
その上で『三越伊勢丹』が特定の
買い取りサービス会社に売却します。
使わなくなったモノへの責任まで
果たさなければ顧客からの支持を
得られないとの考えです。
今日の企業事例である
<三越伊勢丹ホールディングス>を
少し俯瞰して見てみましょう。
2021年7月に発表した
『2021年4~6月期』の連結決算は
86億円の最終赤字でした。
新型コロナウィルスの影響下で
宣伝費や人件費を絞って
高コスト体質からの転換を進めてますが
減収の影響を補えない
厳しい状況が続いています。
百貨店は高品質なサービスや
売り場を維持するためコストが重く
利益が出にくい構造です。
2021年7月に
<三井物産>と組んで移動店舗用の
トレーラーハウスを導入しました。
事前に法人顧客の社員とのチャットで
ニーズを聞き取った上で
要望に合いそうな服など
20~30点を載せて顧客企業まで出向き
カラーコーディネーターの
社内資格を持つ販売員が同行し
その場で最適な着合わせも提案します。
移動店舗を導入するなど
顧客数を現状の2倍の
2000社まで増やす狙いです。
コロナ禍において百貨店の上層階で
物産展などを開き集客し
帰り際に買い回りにつなげる
『シャワー効果』と呼ぶ
百貨店の典型的なビジネスモデルは
もう限界を迎えています。
ネット通販の普及で
消費者の買い物の仕方は
欲しいものしか買わない
『目的買い』に変わりました。
2024年度までの中期経営計画では
『高感度上質戦略』を打ち出しました。
年100万円以上購入する
カード会員向けの売上高は
前年実績を上回っています。
この層に訴求するため販促の主体を
従来のマスマーケティングから
個のマーケティングへと転換します。
顧客の属性や嗜好を把握し
関係性を強化する
『個客とつながり戦略』です。
顧客の要望があれば
店頭にない商品も扱う。
ニーズに広く対応し
嗜好に合う商品やサービスを
柔軟に提案します。
細谷敏幸社長が進める
『百貨店の当たり前』を打破し
『伊勢丹新宿本店』と
『三越日本橋本店』の
将来の再開発を断行するなど
『意識改革』と『構造改革』を
グループ内で実行できるかが
今後の大きな課題となります。
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