第451話 <コマツ(小松製作所)>のビジネスモデル

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未来会計型経営戦略【ビジネスモデル】

[ 未来通信 0451]

おはようございます!

未来会計型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。

『日本資本主義の父』を
ご存知ですか?

2024年から一万円札の肖像に選ばれ
NHK大河ドラマ『青天を衝け』の
主人公でもある渋沢栄一氏のことです。

最近では女子プロゴルファーで
渋沢栄一氏の子孫となる

澁澤莉絵留(しぶさわりえる)さんが
少し話題になりました。

渋沢栄一氏とともに
近ごろ目にすることが多くなった
その人の名前は松下幸之助氏。

幸之助氏が説いた『水道哲学』は
モノの豊かさと心の豊かさが相まって
はじめて人生の幸福につながる

という『物心一如』の考えが
元にありますが

<生産者の使命は
貴重なる生活物資を水道の水のごとく
無尽蔵たらしめること>

という水道哲学の言葉になります。

小学校を卒業することもならず
丁稚(でっち)奉公へ出され

苦難を乗り越えて事業を少しずつ
軌道に乗せて行ったことは
多くの人がご存知と思います。

よく知られていることの一つに
『人たらしである』
という人物評があります。

社員を愛し、人を愛し
人を心から本気にさせる。

没後30年以上経っても
『経営の神様』として慕われ
学ぶことが多い名経営者です。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第451話
<コマツ(小松製作所)>です。

(*写真はイメージです)
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鉱山会社の自家用機械生産のために開設

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1917年1月に
銅山を経営していた<竹内鉱業>が
<小松鉄工所>を開設しました。

1921年5月に
<竹内鉱業>から分離独立し
<小松製作所>が設立されました。

1932年に
<農林省>から要請され日本初の
国産トラクタ―を開発しました。

1950年に
総売上の53%がブルドーザーが
占めるようになりました。

1951年8月に
本社を石川県小松市から
東京に移転しました。

1965年に
ホイールローダーを生産開始しました。

1968年5月に
油圧ショベルを生産開始しました。

2004年に
スウェーデンの<パルテック・フォレスト>
を買収し林業機械の製造販売を開始。

2008年1月に
無人ダンプトラック運行システムを
世界で初めて市場に導入しました。

2017年4月に
米国の大手鉱山機械メーカーである
<ジョイ・グローバル>を買収しました。

2019年2月に
米国林業機械メーカー<ティンバープロ>
の買収を発表しました。

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<コマツ>のビジネスモデル

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2020年1月に
『第8回企業価値向上表彰』の大賞を
<東京証券取引所>から受賞しました。

選定委員会の座長の
<一橋大学>大学院の伊藤邦雄特任教授は

「資本コストを上回る
自己資本利益率などを長期にわたって
経営目標として掲げている」

と評価しました。 

2020年1月に
中国での建設機械の操業再開を
先送りする方針を表明しました。

新型コロナウィルスの感染拡大を受けて
工場の稼働を延期します。

2020年2月に発表した
『2019年10~12月期』の連結純利益は
前期比23%減でした。

世界的な環境意識の高まりで
石炭採掘の鉱山機械が不振で
減益は3四半期連続となります。

2020年3月に
中国国内での製建設機械の平均稼働時間が
前年同月比30%減少したと発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で
春節休暇の終了後も
土木工事の再開が遅れています。

欧州など海外6工場での
建設機械の生産を数日間から最大19日間
停止すると表明しました。

各国政府の要請に応じて建設機械の
稼働を見合わせる考えです。

2020年4月に
林業機械事業を拡大する方針を
表明しました。

ブラジルで植林に使う
林業機械の量産体制を整え
試験的に販売を始めました。

建設機械や鉱山機械の
需要が低迷しているため

安定的な需要が見込める
林業向けを伸ばしたい考えです。

2020年5月に
『2020年3月期』の純利益が
前期比40%減と発表しました。

インドネシア向け鉱山機械の
売れ行きが減速し

北米では新型コロナウイルスの影響で
住宅や商業施設の建設が滞ったことで
建機の需要が落ち込みました。

2020年5月に
経営の厳しい協力企業への
支援に乗り出しました。

粟津工場の周辺にある
部品会社などを対象に
在庫を買い取るほか

資金繰りを助けるために
一部の企業への支払いを
現金に切り替えました。

2020年7月に
『シールリング』をつくる新工場を
建設すると表明しました。

基幹部品から潤滑油の漏れを防ぐ
精密部品のシールリングですが

新工場は高性能の生産設備や
人工知能による自動検査装置を導入して
最大5割の省人化を目指します。

2020年8月に
<経済産業省>と<東京証券取引所>より
『DXグランプリ』に選ばれました。

業務を変革し新たな成長や
競争力強化につなげている企業35社を

『デジタルトランスフォーメーション
銘柄2020』に選定したと発表し

<コマツ>と<トラスコ中山>の2社が
『DXグランプリ』に選ばれました。

2020年10月に
遠隔監視システムの外販に
乗り出すと表明しました。

全地球測位システム(GPS)を使った
『コムトラックス』と呼ぶ

遠隔監視装置を標準搭載した建機を
2001年から販売していますが

他社ブランドのダンプトラックに
『コムトラックス』を載せ

位置や速度がわかることで
工事現場での作業効率が上がり
現場管理をしやすくします。

2021年1月に
排ガスを出さない電池駆動の小型ショベルを
2022年に欧州で発売すると表明しました。

軽量で長く稼働できる
リチウムイオン電池を使い

エンジンの代わりにモーターを使い
騒音が少なく排ガスも出ないため

環境規制が厳しい欧州で売り出し
日本での投入も検討する考えです。

2021年1月に
米国で鉱山機械の部品を製造する工場を
3月までに閉鎖すると発表しました。

鉄や銅など『ハードロック』と呼ばれる
資源の採掘に適した
鉱山機械の開発を強化し

『ESG(環境・社会・企業統治)』重視
のなかで脱石炭に向けて動き始めました。

「石炭への逆風は強く
比率を下げていくことが重要だ」

と<コマツ>の
小川啓之社長は述べています。

2021年2月に
4月から従業員が定年時期を決める
選択定年制を導入すると表明しました。

従来一律60歳だった
一般社員の定年年齢を
60歳か65歳で選べます。

60歳でいったん定年退職して
パートタイム型の再雇用として
働く場合には副業も認めます。

2021年4月に
<NTTドコモ>などと建設業界のDXを
支援する新会社の設立を発表しました。

建設業界では就業者の高齢化などで
人手不足が深刻化しているため

<コマツ>の建設機械の
遠隔操作などの自動化技術を

<NTTドコモ>などが持つ
通信やセンシング技術と組み合わせて
高度化し課題解決につなげる考えです。

2021年7月に
建設現場でのダンプトラックの無人走行の
実証実験開始を発表しました。

農業機械の制御を手がける
米国<アグ・ジャンクション>の
自動運転支援技術と

<コマツ>の施工管理システムを組み合わせ
複数のダンプが建設現場で効率的に
自動走行できるようします。

工事の進捗状況によって
ダンプの走行経路が頻繁に変化するため

3次元で地形や施工の進捗状況を把握する
デジタル化サービスも組み合わせることで

最適な配車や走行ルートの選択を
可能にすることができ

二酸化炭素の排出量削減に
つなげる考えです。

今日の企業事例である
<コマツ:小松製作所>を
少し俯瞰して見てみましょう。

2021年7月に
デジタルトランスフォーメーションの
新会社を始動させました。

建設現場のデータをデジタル化し
分析することで大幅なコスト改善などに
つながるサービスを提供します。

新会社<EARTHBRAIN>は
<コマツ>が54.5%
<NTTドコモ>が35.5%で

<ソニーセミコンダクタ
ソリューションズ>と
<野村総合研究所>が5%ずつの出資。

「建設現場のデジタル化は
後戻りできない
加速させないと」

と<コマツ>の
四家千佳史執行役員は述べています。

建設技能労働者は数年以内に必要数の
3分の1に当たる最大120万人が
足りなくなるとされています。

新型コロナウイルスの感染拡大で
世界の建設現場で働き方改革が
求められています。

海外の建設機械事業は
米国の<キャタピラー>などと
競争が激しくなっていて

アジアでは安さで攻める
中国の<三一重工>が
シェアを高めています。

これらとの差別化を図るため
建設・土木工事の全工程を

3次元の仮想空間で再現する
施工管理サービスを
本格的に始動させます。

工事の進捗に応じて
施工計画を自動で修正でき

<コマツ>のコンサルタントが
サポートしながら

人員や建機の配置
資材調達を最適化します。

2021年6月に<ホンダ>と組んで
電池交換式の小型建設機械を
開発すると発表しました。

「電動化は将来の事業のキーになる
質量1トン以下のマイクロショベルなら
急速充電器が使える
電池交換式で運用できる」

「それより少し大きな
ミニパワーショベルなら
安全を確保した上で
建屋から給電すればよい」

と<コマツ>の
小川啓之社長は述べています。

脱炭素に向けた電動化が進むとみて
ショベル以外の建設機械への導入や
海外展開も検討していく考えです。

2021年6月に
トンネルなどに使うコンベヤー事業を
売却すると表明しました。

今春に資産売却を決めていた
米国とオーストラリアに続いて
英国でも売却の意向を示しました。

<コマツ>は2030年までに
二酸化炭素の排出量を2010年比で
5割減らす目標を掲げています。

世界的な脱炭素の潮流を受けて
石炭関連の需要減を見据え

鉱山機械事業を中心とした
構造改革を打ち出しています。

<コマツ>はモノ作りの会社のため
商品とソリューションが中心ですが

コト作りの発想を膨らませ
新たなビジネスモデルを生み出すことが
今後の課題となります。

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<令和2年度迄 非常勤講師>
中部大学 人文学部心理学科
<令和元年度迄 非常勤講師>
愛知産業大学 造形学部デザイン学科
<著書>
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