第446話 <セイコーエプソン>のビジネスモデル

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未来志向型経営戦略

[ 未来通信 0446]

おはようございます!

未来会計志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。

ニューノーマルに対応できないと
思い込んでいませんか?

少ない時には1車両に数人の乗客で
閑散としている新幹線に

リモートワークができる車両を設ける
実証実験を始めています。

<JR東日本>と<JR北海道>は
東北・北海道新幹線
『はやぶさ』の全列車で1号車を

『リモートワーク推奨車両』
として走らせています。

1号車の車両の座席は販売しないで
別の号車の指定券を持っている乗客が
自由に利用でき追加料金は不要です。

パソコンの画面を他人に
見られることへの不安解消のため

<セイコーエプソン>の
スマートグラスを用意しています。

レンズの中に画面が映し出され
パソコンの画面をオフにすれば
のぞき見を防げます。

ウェブ会議の場合は
会話の内容を周囲に聞かれてしまうため

<ヤマハ>の
『スピーチプライバシーシステム』を
一部列車に設置しました。

ガヤガヤとした『情報マスキング音』を
車内に流すことで

周囲の人が会話内容を
聞き取りにくくする技術の導入です。

従来の非常識にチャレンジしなければ
『ニューノーマルの時代』に
生き残ることはできません。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第446話
<セイコーエプソン>です。

(*写真はイメージです)
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<第二精工舎>の関連会社として創業

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1942年5月に
諏訪市の時計商である山崎久夫氏が
<大和工業>を設立しました。

1943年に
<第二精工舎>が諏訪市に工場を
開設しました。

1959年に
<大和工業>が<第二精工舎>の諏訪工場を
営業譲受し<諏訪精工舎>となりました。

1961年12月に
子会社として<信州精器>を設立しました。

1968年9月に
世界初の電子機器用の
小型電子プリンターを発表しました。

1969年に
世界初のクォーツ腕時計を開発しました。

1975年に
『EPSON』のブランドを制定しました。

1982年に
<信州精器>を<エプソン>に
社名を変更しました。

1985年11月に
<諏訪精工舎>が<エプソン>を合併し
<セイコーエプソン>に社名変更しました。

1996年に
国内インクジェットプリンターで
トップシェアとなりました。

2016年11月に
<エプソン販売>からAR対応の
スマートグラスを発売しました。

2017年4月に
<オリエント時計>を統合しました。

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<セイコーエプソン>のビジネスモデル

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2019年12月に
<セイコーエプソン>の碓井稔社長が
富士見事業所で記者会見を開きました。

米中貿易摩擦などによる
世界経済の低迷や円高など
厳しい事業環境が続く見方を示し

その中でも戦略商品である
大容量インクタンク搭載の
インクジェットプリンターについて

2020年度は2019年度比
約10%増の1100万台程度を
販売したいと表明し

「加速するデジタル化や
環境問題への対応を一段と強化して
自らの力で成長していく」

と記者会見で述べました。

2020年1月に
個人向けのインクジェットプリンターに
サブスクを導入すると発表しました。

製品やサービスを定額利用できる
サブスクリプション型サービスを

欧州から始めて2020年度には
先進国に広げる考えです。

すでにビジネス向けプリンターで
展開していましたが

個人でも利用の選択肢を広げて
顧客拡大につなげる狙いです。

2020年1月に
小川恭範取締役常務執行役員の
社長昇格を決めた人事を表明しました。

社長交代は12年ぶりで碓井稔社長は
代表権のない会長に就く予定です。

インクジェットプリンターを中心に
事業領域の多角化などに
碓井社長は取り組んできましたが

基盤強化が進んだとみて4月1日付で
トップの若返りを図る考えです。

小川恭範取締役常務執行役員は
碓井稔社長と同じく技術畑出身で

「エプソンは技術の会社
社会課題をどう解決するかという視点を
社内に徹底し柔軟で迅速な経営を進める」

と抱負を述べています。

2020年2月に発表した
『2019年4~12月期』の連結決算は
純利益が前期比47%減でした。

中国や欧州の景気悪化で
プリンターやプロジェクターの販売が
振るわず為替の円高も響きました。

『プリンター』『プロジェクター』
『時計・産業ロボット』の全3事業で
減収減益でした。

2020年2月に
高画質プリンターを10年ぶりに
全面刷新すると表明しました。

写真愛好家や写真スタジオなどが使う
高画質プリンターを

新しいプリンターヘッドの採用など
構造を抜本的に見直し

黒や青の表現力を高めながら
プリンターのサイズを
従来より30%程度小さくしました。

2020年3月に
長野県塩尻市で建設してきた
工場が完成したと発表しました。

長野県塩尻市の広丘事業所で
商業・産業印刷機の試作と
量産工場を建設してきました。

繊維製品向けのデジタル捺染印刷機などを
開発・生産する計画で4月稼働します。

2020年4月に
スタートアップ企業に投資する
子会社を設立したと発表しました。

プリンターなどの事業と
相乗効果のある技術などを持つ
スタートアップなどに投資する

コーポレートベンチャーキャピタルの
<エプソンクロスインベストメント>で
小川恭範社長が代表者を務めます。

2020年4月に
国内にあるグループの約50事業所を
大型連休中は休業すると発表しました。

工場や営業拠点など
約2万人が勤務しているため

新型コロナウイルスの感染拡大防止と
従業員の安全確保につなげる考えです。

2020年5月に発表した
『2020年3月期』の連結決算は
純利益が前年同期比86%減でした。

新型コロナウイルスの影響から
世界的な生産や営業活動の停滞で

主力のプリンターや
プロジェクターなどが落ち込み
約140億円の減収要因になりました。

2020年7月に
福島県にある IT 拠点『AiCT』に
新たな拠点を設けたと発表しました。

外部企業と連携して
新サービスの創出などにつなげる

オープンイノベーションの拠点にして
<会津大学>との連携も進める考えです。

2020年10月に
家庭用インクジェットプリンターの
新製品を8機種10モデル発売しました。

新型コロナウイルスによる
在宅勤務や自宅学習の広がりなどを受け

印刷コストを下げるなどした
製品の販売に力を入れる考えです。

2020年12月に
進行中の中長期の経営計画を
2021年中に見直す考えを表明しました。

テレワークの拡大といった
ニューノーマル(新常態)に対応した
経営も進めていく考えで

新型コロナウイルス禍に伴う
事業環境の変化などを反映する方針です。

2021年3月に
国内の使用電力を再生可能エネルギーに
切り替えると発表しました。

2020年4月に本社や
プリンターの開発拠点など3つの拠点で
全量を再生エネに切り替えていますが

2021年度までに
国内の工場や事業所で使う電力を
再生可能エネルギーに切り替え

2023年には海外も含めて
全ての拠点の電力を
再生エネルギーにする考えです。

2021年3月に
<ユーグレナ>など13の企業や自治体で
企業連合を設立すると発表しました。

ミドリムシ由来の
バイオマスプラスチック開発に取り組み

2030年までに20万トンを
供給することを目指します。

日本政府は2030年までに
バイオプラスチックの導入量を

200万トンに拡大する目標を
掲げています。

企業連合で20万トンを導入できれば
約37トンの二酸化炭素の
削減効果が見込めます。

2021年6月に
半導体の安定調達に向けて
仕様の見直しを表明しました。

「半導体不足は長期化する可能性がある
旺盛な需要に応えるためにも
調達や生産、物流面での対応を強化する」

と<セイコーエプソン>の
小川恭範社長は述べました。

今日の企業事例である
<セイコーエプソン>を
少し俯瞰して見てみましょう。

家庭用プリンターの好調で
『2021年3月期』の連結業績予想を
大幅に修正しました。

「先進国を中心にお店に
プリンターがない状態が続いている」

と瀬木達明取締役は
20201年3月時点の
市場環境を説明しています。

得意とするインクを紙に吹きつける
インクジェット式プリンターは

家庭向けが主力ですが
先進国では成熟しつつある市場でした。

コロナ禍を受け在宅勤務が拡大したことで
需要が一気に膨らみました。

ただし新型コロナウィルスの感染拡大が
ワクチン接種などで終息に向かえば
今期のような市況は望めません。

一方で商業・産業向け印刷事業の
主要顧客である服飾関連では
大手ブランドの苦戦が目立ち

看板や大形ポスターも外出自粛で
需要が落ち込んでいます。

2020年12月に小川恭範社長は
進行中の『中長期経営計画』を
2021年中に見直す考えを表明しました。

2025年度を最終年度とする長期ビジョン
『エプソン25』を進めていましたが

新型コロナウイルス禍に伴う
事業環境の変化などを反映する方針で

テレワークの拡大といった
ニューノーマル(新常態)に対応した
経営を進めていく考えです。

大容量インクタンク搭載モデルの
プリンターの強化や

商業・産業印刷分野の拡大などを進め
売上高を2020年度見通しより約8割多い
1兆7000億円に引き上げる計画です。

2024年度までの長期プロジェクトでは
情報システムを20年以上ぶりに
全面刷新する方針です。

事業部や国・地域などで
細かい違いがあるシステムを統合し

必要な情報をどこからでも
短時間で引き出せるようにする

デジタルトランスフォーメーションを
加速させる考えです。

受発注や生産・販売計画の策定
製造管理、会計など
あらゆる業務をクラウドで管理します。

プリンターやプロジェクターなど
全ての事業部や販売部門

世界の現地法人など
エプソングループ全体を対象とします。

新システムに移行すれば
どの製品がいくらでどの程度

売れているかといった情報を
経営陣などがタイムリーに把握でき

無駄のない計画的な生産などに
つなげることができ業務が効率化します。

1カ所で大量に生産したり
印刷したりしていたモノが

将来的に分散していくと
想定していましたが
コロナ禍で加速しています。

成長事業と位置付ける
産業・商業用印刷事業が

ニューノーマルの時代を迎え
どのように変化していくのか?

2021年3月には
宇宙作業用ロボット開発の
<GITAI Japan>に出資しました。

オープンイノベーションによる
成長の加速を目指しています。

従来の事業に加え
新たな成長事業への取り組みと
成長事業の育成の可否が

<セイコーエプソン>の
企業存続の鍵となります。

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<令和2年度迄>
中部大学 人文学部心理学科 非常勤講師
<令和元年度迄>
愛知産業大学 造形学部デザイン学科 非常勤講師
<著書>
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