第433話 < エーザイ >のビジネスモデル

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未来志向型経営戦略

[ 未来通信 0432 ]

おはようございます!

未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。

コロナ禍でリモートワークなど
働き方に変化が出てきました。

『afterコロナ』で
元の働き方に戻るかと言えば

戻らないと思える職種や職場が
増えていることは間違いありません。

食事のテイクアウトなども
日常の生活に溶け込んでいます。

<ウーバーイーツ>や
<出前館>などの配達員による
料理の宅配も珍しくなくなりました。

現在は33都道府県で
約10万人の配達員が飲食店から
職場や自宅に料理を届けています。

飲食店の廃業などで失業した人の
雇用の受け皿になっているケースも
増えているようです。

<ウーバーイーツ>は年内にも
全国展開する方針です。

全国規模となれば相当数の配達員が
必要になると考えられますが

収入の保証はなく
雇用保険や労災保険も対象外で
会社も守ってくれません。

従業員の生活を保障する
雇用契約の重要性を
考えさせられる社会現象です。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第433話
< エーザイ >です。

(*写真はイメージです。)
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大手製薬会社を57歳で退職して起業

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1936年に
<桜ヶ岡研究所>を設立しました。

1941年に
埼玉県に<日本衛材>を設立しました。

1944年に
<桜ヶ岡研究所>と<日本衛材>とで
<日本衛材>株式会社となりました。

1952年に
高単位B2B1剤『チョコラBB錠』を
日本で発売しました。

1955年に
<エーザイ>に社名を変更しました。

1966年に
岐阜県各務原市に工場を開所しました。

1972年に
<生科研>と共同研究を開始し
農業分野へ参入しました。

1996年に
<エルメッドエーザイ>を設立し
ジェネリック医薬品業界に参入しました。

2019年4月に
<エルメッドエーザイ>を
<日医工>に営業統合しました。

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< エーザイ >のビジネスモデル

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2019年9月に
アルツハイマー病の治療薬候補の
臨床試験を中止すると発表しました。

米国<バイオジェン>と共同開発中の
経口治療薬『エレンベセスタット』で
製品化前の最終治験に入っていました。

「治験を継続しても最終的に
ベネフィットがリスクを上回ることはない」

と治験データを分析する
独立委員会からの判断を受けました。

2019年9月に
米国製薬大手<メルク>との併用療法で
<米食品医薬品局>から承認を受けました。

子宮内膜がんを対象とし
<エーザイ>が創製した
抗がん剤『レンビマ』と

<メルク>のがん免疫薬
『キイトルーダ』との併用療法で

<米食品医薬品局(FDA)>から
承認を受けることができました。

2019年10月に
共同開発のアルツハイマー病の新薬を
米国で承認申請を目指すと発表しました。

アルツハイマー病の新薬を
米国製薬会社<バイオジェン>と
共同開発していますが

早期アルツハイマー病患者を
対象とした治験で

認知や日常生活に関わる機能で
症状悪化を遅らせる効果が
認められたため

2020年に米国での
承認申請を目指します。

2019年12月に
アルツハイマー病が血液から診断できる
可能性があると学会で発表しました。

血液検査装置大手<シスメックス>は
アルツハイマー病の診断法に関し

原因の一つとされる脳内の
アミロイドベータ蓄積が血液から

把握できる可能性があるとする
最新データを学会で発表しました。

実用化へ向けて<エーザイ>と
共同開発を進めます。

2020年1月に
がんを治療する社員を対象に
復職支援プログラムの制度を始めます。

休職後や復職時のサポートを充実させ
闘病しながら就労できる環境を整備して
社員のがん離職を防ぎます。

抗がん剤を開発する
企業の社会的責任として
支援の強化に取り組む考えです。

2020年4月に
創薬の<プリズムバイオラボ>と
ライセンス契約を結んだと発表しました。

<プリズムバイオラボ>は
創薬のスタートアップですが

認知症などの神経疾患領域で
発見したいくつかの新薬候補の化合物を
<エーザイ>に提供します。

2020年5月に発表した
『2020年3月期』の純利益は
前期比92%増の過去最高益でした。

抗がん剤『レンビマ』など
主力製品が伸びました。

2020年5月に
新型コロナウイルス感染症向けに
臨床試験を始めると発表しました。

重症敗血症の治療薬候補として
開発していた『エリトラン』ですが

新型コロナ感染症で
重い呼吸障害をもたらす

免疫機能の暴走を
食い止める効果が期待されます。

2020年5月に
脳の認知機能を管理できるサービスを
企業や自治体向けに本格販売します。

3月末に発売した
脳の認知機能の管理サービス
『のうKNOW』を拡大販売します。

2020年6月に
米国で不眠症治療薬『デエビゴ』を
発売したと発表しました。

睡眠時に目が覚めてしまったり
寝付きが悪かったりする症状が改善し

繰り返し使うと効果が
低減するものもありますが
『デエビゴ』は起きにくいといいます。

2020年6月に
新型コロナウイルスの抗原を測定する
検査機器の開発に乗り出しました。

<徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所>
<大阪大学><神戸大学>
<シスメックス><JVCケンウッド>

などと協力し光技術によって測定する
検査機器の開発に取り組み

2020年度内に製品化に向けた
技術の確立を目指します。

2020年7月に
新型コロナウイルス感染症の入院患者に
臨床試験を開始すると発表しました。

米国<ピッツバーグ大学医療センター>
と共同で新型コロナウイルス感染症の
入院患者を対象に

新型コロナウイルス感染症の
肺をはじめとする多臓器の損傷を
防ぐと期待される臨床試験を開始します。

2020年7月に
新型コロナウイルスの軽症患者を
見守るシステムの開発を発表しました。

<アルム>や<東京医科歯科大学>と
新型コロナウイルスの感染の
疑いがある人や軽症患者を

スマートフォンで自宅などで
見守るシステムを開発します。

2020年7月に
脳の健康管理アプリの提供を
始めたと発表しました。

<ディー・エヌ・エー>と提携し
共同開発したアプリ『easiit』は

40~50代の利用を想定し
スマートフォンを通じて食事や運動
睡眠などを管理できます。

2020年9月に
人工知能を使った新薬開発に
取り組むと表明しました。

化合物を使った新薬開発は一巡し
新薬候補を見つけることが
困難になっています。

人間が気が付かなかった物質を
人工知能が発見・設計することで
新薬開発につながる可能性があります。

2021年2月に
『2021年3月期』の連結純利益が
前期比68%減の見込みと発表しました。

新型コロナウイルスの影響で
患者の受診抑制が広がり
主力薬の販売が計画を下回っています。

2021年3月に
岐阜県の川島工園に研究開発棟を
新たに立ち上げると表明しました。

バイオ技術を使う医薬品は
注射剤にするケースが多く

新たな研究開発棟で
この分野の研究開発に
力を入れる考えです。

今日の企業事例である
< エーザイ >を
少し俯瞰して見てみましょう。

2021年1月に
米国<バイオジェン>と開発する
アルツハイマー型認知症治療薬は

<米食品医薬品局>の
新薬承認審査の期間が3カ月延びて
6月になったと発表しました。

世界の製薬大手も
認知症薬に力を入れるなかで
先行できている理由として

『がん治療』と『認知症分野』に
開発分野をフォーカスしていると

内藤晴夫最高経営責任者は
説明しています。

さらに続けて……

「新薬開発は正しい仮説と
患者層、用量、評価項目という
4つが整わなければうまくいかない」

「しかも技術の進歩や
病態の解明があり
それにも対応しなければならない」

「当社が順調に進めてこられたのは
この4つを巧みに
調整してきたからだ」と述べています。

薬の開発から得られたデータを使って
生活者の疾患啓発や予防につながる
ビジネスができないかと考えていて

入り口は薬の研究開発でも
出口は薬だけでなく
生活者向けのビジネスも視野に入れ

生活分野から医療分野まで
カバーする考えです。

上場企業で最も女性役員が多いのは
<エーザイ>の5人ですが

2020年には新たにESGの専門家として
明治大学教授の三和裕美子氏が
社外取締役に就きました。

インドの中堅都市ビシャカパトナムに
<エーザイ>が工場を構えていますが

ここで製造されている
リンパ系フィラリア症治療薬は
世界中に無償で提供しています。

『象皮病』の俗称が示すように
足が象のようにはれあがり
最悪の場合は死に至ります。

アジアやアフリカなどを中心に
世界54カ国で約10億人が
感染リスクにさらされ

1億2000万人が発症していると
いわれていますが

新興国や発展途上国の人たちには
高価すぎて手が届きませんでした。

薬を各地に輸送するコストや
患者に服用してもらう
講習会の費用も負担しています。

『患者満足の増大』という
<エーザイ>のミッションに合致した
無償配布という社会貢献です。

<エーザイ>を率いる
内藤晴夫最高経営責任者は

創業者の内藤豊次氏の孫で
1988年代表取締役社長に就任して
30年以上経営トップを務めています。

内藤晴夫最高経営責任者は
「認知症薬とともに生きて
死ぬ覚悟だ」と述べています。

複数の後継者候補について
話し合っているといいます。

辞めるのは
後継者の育成を終えてからにしてと
覚悟を決めています。

創業の精神を受け継ぎ
会社のミッションを実践していく
後継者指名が当面の課題です。

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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型 経営戦略コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし

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