未来志向型経営戦略
[ 未来通信 0425 ]
おはようございます!
未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。
緊急事態宣言の再発令から
1週間ほど経過しますが
感染拡大は収まらないばかりか
大阪、京都、兵庫、愛知、
岐阜、栃木、福岡も加わり
11都府県に発令地域が広がりました。
『ワーク・ライフ・バランス』の
言葉が使われるようになって
およそ20年になりますが
その考え方は多様性を帯びて
いくつもの志向性が生まれています。
コロナ禍でテレワークが
日本でも広がっていますが
在宅勤務の定着を望む声は強く
アフターコロナの時代にも
常態化していくと思われます。
副業や兼業を容認する企業や
推薦する企業も出始めています。
ワーケーションといった新しい働き方を
実施している企業もあります。
どんなワーク・ライフ・バランスを
これから目指すのか
考えておく必要がありそうです。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第425話
<クラレ>です。
(*写真はイメージです。)
==============================
<倉敷紡績>の経営多角化を目的に創業
==============================
1926年に
大原孫三郎氏が岡山県倉敷市に
<倉敷絹織>を創業しました。
1943年に
<倉敷航空化工>に商号を変更しました。
1945年に
<倉敷絹織>に商号を復帰しました。
1949年に
<倉敷レイヨン>に商号を変更しました。
1970年に
<クラレ>に商号を変更しました。
2007年に
『繊維製品』から『化学』に
株式の所属業種を変更しました。
2012年に
産業用ポバールフィルムを扱う
米国<モノソル>を買収しました。
2015年に
バリアフィルムを扱うオーストラリアの
<プランティック>を買収しました。
=============================
<クラレ>のビジネスモデル
=============================
2019年9月に
<住友商事><グローバルケミカル>と
タイで新工場の地鎮祭を開きました。
自動車や電気製品の部品などに使われる
耐熱性樹脂『ジェネスタ』のほか
日用品などに使われる熱可塑性の
合成ゴム『セプトン』を製造します。
「タイは自動車や
電機メーカーなどが集積し
消費地に近い」
「タイの<PTTグローバル>からの
原料供給も安定している」
と<クラレ>の伊藤正明社長は
述べています。
2019年9月に
生分解性プラスチック事業の売上高を
5倍に引き上げる計画を表明しました。
生分解性プラスチック
『プランティック』は
植物由来の樹脂素材ですが
2020年から米国で販売を開始し
2026年までに欧州に広げることも検討し
2026年に2019年見通し比5倍の
売上高を計画しています。
2019年10月に
<富士通ゼネラル>などと
『着るクーラー』を開発しました。
ベスト型の衣服に
リチウムイオン電池を内蔵し
2時間以上連続して首を冷やして
体温を下げることができます。
建設作業員などの利用を見込み
2020年夏にも試験販売する考えです。
<WINヒューマン・レコーダー>や
<富士通ゼネラル>と共同開発しました。
2019年10月に
米国工場で発生した火災事故に関し
和解金を支払うことで基本合意しました。
2018年5月に米国の工場で発生した
火災事故に関して
被害者である従業員の一部に
9200万ドル(約100億円)の和解金を
支払うことで基本合意しました。
2019年11月に
『2019年12月期』の連結純利益が
前期比15%減の見込みと発表しました。
テレビなど液晶ディスプレーに使う
光学フィルムが
液晶パネルの在庫調整の影響をうけて
想定より数量が落ち込など
主力のフィルムや樹脂の低迷に加え
2018年5月に米子会社で発生した
火災事故について
損害賠償費用約140億円を
特別損失に計上することが
影響しています。
2019年11月に
<公正取引委員会>より
課徴金納付命令が出されました。
浄水施設などで使われる
特定活性炭や特定粒状活性炭の納入で
談合を繰り返したため
独占禁止法の規定に基づき
<クラレ>など11社に対し
課徴金納付命令が出されました。
活性炭は炭化させた木材などを
約千度の高温で水蒸気と
反応させるなどして製造し
内部の微細な穴にさまざまな物質が
吸着する性質を生かして
水や大気から異臭物質や
有毒ガスを除去します。
2019年12月に
タッチパネル大手<NISSHA>との
樹脂製品の共同開発を表明しました。
<クラレ>の人工皮革『クラリーノ』と
<NISSHA>のセンサー付き樹脂素材を
組み合わせます。
2020年に国内外の
<NISSHA>の工場で生産を開始し
高級車の内装用や
デザイン性の高い家電向けに
販売する考えです。
2020年2月に
ポーランドで包装用フィルムの新工場を
建設すると発表しました。
このフィルムの生産拠点を
米国・英国の2カ国から増やし
供給力を高める考えです。
洗剤や薬剤を個別に包装する用途で
需要が広がっているため
2022年の稼働を目指しています。
「2~3年は10%近い伸びが続く」
と需要見通しついて<クラレ>の
伊藤正明社長は述べています。
2020年2月に
『2019年12月期』の連結最終損益が
20億円の赤字の見込みと発表しました。
業績の下方修正は5回目で
通期決算が最終赤字となるのは
41年ぶりとなります。
2018年に米国子会社で発生した
火災事故に関して和解金や
弁護士費用などの訴訟関連費用を
特別損失として計上するのが
赤字転落の主な要因です。
2020年5月に
『2020年1~6月期』の連結純利益が
前期比47%減との見通しを示しました。
従来は21%増を想定していましたが
新型コロナウイルスの感染拡大で
自動車や電子デバイス
ディスプレー向けなどの製品が
落ち込んでいます。
2020年5月に
展示会が開けずインターネット上に
特設サイトを設けました。
自動車部品向けの素材をアピールする
展示会を開催していましたが
新型コロナウイルスの
感染拡大を防止するため
インターネット上に特設サイトを設け
国内外から5000を超える
アクセスがあるなど成果はありました。
「面識が無い新規客は
オンライン商談に
乗り気ではないことが多い」
と経営企画室今宮智子氏は述べており
オンライン営業の課題も
見えてきています。
2020年6月に
マスク用の不織布を
増産すると発表しました。
岡山県の工場に追加投資して
マスク用フィルターも生産可能にし
新型コロナウイルスの
感染拡大の影響により
特に不足している医療用マスク向けの
高性能フィルターなどを作ります。
2020年6月に
米国子会社で活性炭の生産設備を
増強すると発表しました。
活性炭は石炭やヤシ殻を原材料とした
物質の表面に微細な穴をあけた
炭素材料ですが
穴の大きさや形状に応じて
水や大気の浄化が可能で
米国の浄水場などで需要が伸びています。
2020年12月に
『2020年12月期』の連結最終損益が
ゼロの見込みと発表しました。
2021年1月1日付で伊藤正明社長は
代表権のない会長に就き
川原仁取締役常務執行役員が
社長に昇格します。
今日の企業事例である
<クラレ>を
少し俯瞰して見てみましょう。
2020年10月に
炭素繊維強化プラスチック市場に
本格参入しました。
炭素繊維強化プラスチックは
炭素繊維と樹脂を
組み合わせて製造しますが
<クラレ>は炭素繊維を
外部で調達して自社製の樹脂と
合わせて開発します。
自社製の樹脂を活用することで
生産コストを従来の半分以下に
圧縮することができるため
車の軽量化などにつながる
炭素繊維強化プラスチックの
価格面での訴求力を高められます。
スポーツ用途から販売先を増やし
2030年にも自動車の主要部材での
採用を目指します。
海洋プラスチックごみは
ペットボトルや食品容器などが
すぐ頭に浮かびますが
日本に漂着する全体の
4割を占めているのは漁具です。
そのため2018年10月から
水産商社の<ニチモウ>と組み
生分解性プラスチック製の
漁具を開発しています。
カキの養殖場で
水中につるす養殖用のパイプに
生分解性プラスチックを使う
実験に取り組んできました。
パイプが劣化で折れたり
欠けたりした場合にも海底に沈み
土の中で水と二酸化炭素に分解され
ごみが出ないのが特徴です。
将来は環境意識の高い
欧米などでの展開も視野に入れ
環境負荷の少ない
漁具を核にした技術で
新たなビジネスを生む狙いです。
『2019年12月期』の
連結業績見通しを振り返ると
景気減速などを理由に
5度に渡って下方修正しました。
さらに米国での火災事故による
特別損失を計上して41年ぶりの
最終赤字に転落しました。
ニッチな産業に強みをもち
化学メーカーの中では比較的
景気に業績が左右されにくい
高収益企業とされてきました。
時代の変化にも適応し
祖業の繊維事業から主力事業を
化学へとシフトしてきました。
2021年1月1日付で社長に昇格した
川原仁取締役常務執行役員のもとで
市場からの信頼を回復するために
どのような手を打つことができるか
当面の課題となります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【2時間の無料相談:ご連絡先】
守秘義務契約を厳守する
経営戦略コンサルタントです。
お気軽にお申し込みください。
▼メールでのお申し込み
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
▼携帯電話でのお申し込み
Mobile:080-4806-1553
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
*次回は
1月22日金曜日の配信予定です。
★前号までの『企業事例』です
サントリーホールディングス
ライフコーポレーション
Zホールディングス
東京ガス
古河電気工業
キリンホールディングス
ミクシィ
すかいらーくHD
東急
王子ホールディングス
アステラス製薬
KDDI
★上記以前に取り上げた410の企業事例は
下記のブログで読むことができます。
Amebaブログ
[link]http://ameblo.jp/rabbit-g/
Ameba0wnd
[link]http://www.shikumi.solutions
Facebook頁
[link]https://www.facebook.com/hitoshi.business.model
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【投稿内容】
投稿内容の企業情報及びデータなどは
新聞や雑誌、ホームページなどの
公開情報に基づいた記述です。
=============================
著書「ビジネスモデル虎の巻!」
Amazonでご購入いただけます!
▼本の画像をクリックしてください。
[link]https://mirai.brand-keiei.com/toranomaki/
放送作家の知久哲也氏による
著書の記事が掲載されました!
▼Yahoo!ニュース
[link]https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190305-00010000-mediagong-ent
=============================
『なぜ、未来志向型経営なのか?』
▼解説のブログはこちらから
[link]https://ameblo.jp/rabbit-g/entry-12458620714.html
『なぜ、大企業の事例が参考になるのか?』
▼解説のブログはこちらから
[link]https://ameblo.jp/rabbit-g/entry-12461658015.html
——————————————
編集・発行元
——————————————
◆オフィス
Tel:052-766-6988
Mobile:080-4806-1553
Homepage:mirai.brand-keiei.com
Email:mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
〒503-0015 岐阜県大垣市林町7-265-1
株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型 経営戦略コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし
——————————————
メールマガジンの登録・アドレス変更
——————————————
このメールマガジン(メルマガ)は
渡邉均(ひとし)と過去に名刺交換など
コンタクトがあった方へお送りしています。
◎メルマガに御登録していただく方は
下記をクリックして登録できます。
*迷惑メールに振り分けられることが
あるため受信トレイで
『受け取る』の設定をお願いします。
▼【メルマガ登録のお手続き】
[link]https://maroon-ex.jp/fx92396/wRhYJx
◎メールアドレスを御変更の方は
下記をクリックして変更できます。
▼【アドレス変更のお手続き】
[link]https://twelfth-ex.com/chg/92396/2/
◎このメールに関するお問い合わせは
下記までお願いいたします。
▼【お問い合わせのメールアドレス】
mirai-design@ogaki-tv.ne.jp
◎このメルマガの転送は自由です。
お友達などへ転送してください。
但し、掲載された記事内容を
転載することは禁じます。
◎このメルマガが御不要な方は
下記をクリックして解除していただけます。
▼【配信停止のお手続き】
[link]https://maroon-ex.jp/fx92396/osjFnT
——————————————
(C) Copyright 2020 mirai design company All rights reserved.
——————————————