未来志向型経営戦略
[ 未来通信 0414 ]
おはようございます!
未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。
コロナ禍のもとで進んだことの中に
『働き方の多様性』があります。
最近よく聞く言葉で
『リモートワーク 』がありますが
会社から離れた場所での
ワークスタイルの全般を指します。
同様に行政によって
定義されている言葉として
『テレワーク』がありますが
『リモートワーク 』も
『テレワーク』も
意味として大差ありません。
『リモートワーク 』で働き方や
雇用関係で浮上してきたことは
仕事を時間管理してきた
今までのスタイルから
仕事を役割で管理する仕組みに
変更しなければいけないことでした。
それが『ジョブ型』雇用と呼ばれる
人事制度になります。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。
今日の企業事例は第414話
<王子ホールディングス>です。
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提携や合併を繰り返し業界トップに
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1949年8月に
過度経済力集中排除法に基づいて
解体された<王子製紙>の
後継会社の一つとして
<苫小牧製紙>の社名で設立されました。
当初は1社1工場でしたが
この体制は経営の面から問題視され
第2の拠点建設が計画されました。
1952年に
愛知県春日井市に春日井工場として
第2の拠点工場が操業を開始しました。
1952年6月に
<苫小牧製紙>から
<王子製紙工業>に社名を変更しました。
1960年12月に
<王子製紙工業>を
<王子製紙>に社名を変更しました。
1968年に
<北日本製紙>と提携しました。
1971年に
<中越パルプ工業>と提携しました。
1989年4月に
<東洋パルプ>と合併しました。
1993年10月に
<神崎製紙>と合併し
<新王子製紙>に社名を変更しました。
1996年10月に
<本州製紙>と合併し
<王子製紙>に社名を変更しました。
2012年10月に
<王子製紙>が<王子ホールディングス>
に社名を変更するとともに
会社分割により
事業部門および一部の間接部門を
事業子会社へ移管する再編を行いました。
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<王子HD>のビジネスモデル
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2019年5月に
『2020年3月期』の連結純利益が
前期比15%増との予測を発表しました。
ネット通販が伸びているため
段ボールの需要が国内外で堅調なうえ
値上げの浸透で利幅が拡大しており
純利益は2年連続の最高益となります。
2019年5月に
印刷用紙などの国内生産を
縮小すると発表しました。
『2020年度上期』までに
北海道など3つの工場にある
生産設備の一部を停止します。
紙の国内需要が減っているためですが
過去最大規模の生産縮小となります。
2019年8月に発表した
『2019年4~6月期』の連結決算は
純利益が前期比31%減でした。
海外事業におけるパルプ市況の悪化が
重荷になったことに加え
愛知県の工場で火災が発生し
特別損失を計上したことも影響しました。
2019年10月に
段ボール原紙を生産する名寄工場を
2021年中に閉鎖すると発表しました。
苫小牧工場で新聞用紙の設備の一部を
段ボール原紙用に変える予定で
名寄工場から生産を移します。
2019年11月に
ブラジルとニュージーランドでの増産に
計約200億円を投じると発表しました。
ブラジルではレシートなどに使う
感熱紙の生産能力を増強し
ニュージーランドでは老朽化した
段ボール工場を移転し設備を刷新します。
2019年11月に発表した
『2019年4~9月期』の連結決算は
純利益が前期比8%増でした。
印刷用紙などの値上げが浸透したほか
段ボールの販売量が
青果物・通販向けなどで増加しました。
取締役専務グループ経営委員
の武田芳明氏は……
「段ボールは単月で10%以上
販売が増えた」と述べています。
2019年12月に
牛乳パックなどの紙容器製造に共同で
<石塚硝子>と取り組むと表明しました。
新会社で紙容器の製造・販売、充填機械の
販売・保守まで一貫して手がけます。
経済成長を背景に需要が伸びる
東南アジアへの展開を視野に入れ
需要を取り込む考えです。
2020年1月に
<ネスレ日本>のパッケージ向けに
紙素材が採用されたと発表しました。
世界的な脱プラスチックの流れを追い風に
チョコレート菓子『キットカット』の
パッケージ向けに採用されました。
2020年2月に
『2020年3月期』の連結売上高が
前期比2%減との予測を発表しました。
米中貿易摩擦や台風など天候不順の影響で
国内の需要が振るわないことが
影響しています。
2020年3月に
東南アジアやインドで新工場の建設を
加速する考えを表明しました。
「高い成長が続くアジアでは
年2カ所以上のペースで新工場を
建設する必要がある」
と<王子ホールディングス>の
矢嶋進会長は取材で述べています。
アジアで感染が広がる
新型コロナウイルスの影響については
「市況の押し下げ要因になるが
長期化するとは見ておらず
投資計画は変わらない」
と述べています。
<玖龍紙業>や<理文造紙>などの
中国の紙業大手も東南アジアで
新工場の建設を加速しています。
2020年4月に
マスクや医療用ガウンに使う不織布の
生産を始めると発表しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け
医療用ガウンに使う不織布などの生産を
グループ会社で始めました。
2020年5月に発表した
『2020年3月期』の連結純利益は
前期比12%増でしたが
<王子HD>の矢嶋進会長は……
「印刷用紙の販売数量はコロナの影響が
出る前から大きく減っており
一段の減少を見込まざるを得ない」
「国内の生産体制の
さらなる再編も否定できない」
と述べています。
在宅勤務の拡大で
縮小してきた企業からの
印刷用紙などの需要は一段と縮小し
広告やチラシなどの減少にも
歯止めがかかりません。
木坂隆一取締役専務は……
「印刷用紙などの4~9月期の販売量は
15%程度減る」と述べています。
2020年8月に発表した
『2020年4~6月期』の連結決算は
純利益が前期比82%減でした。
パルプの販売事業は
米中貿易摩擦を受けた海外の市況の低下が
コロナ禍で長引き採算が悪化しました。
外出自粛やテレワーク拡大の影響で
国内の印刷情報用紙の需要減が加速し
イベントなどの自粛により
カタログやポスターの需要なども
落ち込んでいます。
テレワークの浸透が進めば
印刷情報用紙の大きな需要回復は
見込みにくくなり
新型コロナの感染が落ち着いたとしても
オフィスなどでの紙需要が
以前の水準に戻るとは
考えにくいという指摘もあります。
国内の印刷・情報用紙などに頼る
ビジネスモデルからの転換を
迫られています。
今日の企業事例である
<王子ホールディングス>を
すこし俯瞰して見てみましょう。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う
在宅勤務の増加を受け
紙の需要が大幅に落ち込んでいます。
打開策として
経済成長が続く東南アジアで
工場新設や出資に乗り出しますが
低コストが強みの中国勢も進出して
消耗戦に陥るリスクを抱えています。
国内ではオフィスなどで使う
印刷用紙の需要減を見越して
段ボールやトイレットペーパーなどの
『生活産業資材分野』を柱とする
事業構造改革を進めてきました。
2008年のリーマン・ショック時は
『紙パルプ製品事業』が
売上高の半分を占めていましたが
いまでは段ボールや家庭紙などの
『生活産業材』が4割を占めており
事業の多角化を進めてきたことが
業績の安定につながっています。
しかしコロナ禍の発生により
テレワークの増加などで
需要はさらに減少する傾向です。
海外での段ボール工場の立ち上げなど
『生産の再編』をどれだけ進められるか
『afterコロナ』の成長力に直結します。
<王子ホールディングス>にとって
『改革の真価』が問われています。
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10月30日金曜日の配信予定です。
★前号までの『企業事例』です
アステラス製薬
KDDI
日立製作所
伊藤忠商事
三井化学
NEC(日本電気)
信越化学工業
しまむら
二トリホールディングス
Apple Store(顧客満足度)
川崎重工業
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未来志向型 経営戦略コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし
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