第410話 <伊藤忠商事>のビジネスモデル

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未来志向型経営戦略

[ 未来通信 0410 ]

おはようございます!

未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。

バブル崩壊を境にして
右肩上がりの高度経済成長および
安定成長期は終焉を迎えました。

その後
インターネットの普及とともに

『選択と集中』の時代を迎えることで
事業の絞り込みが進んできました。

そして予期せぬ出来事である
新型コロナウィルスの感染拡大によって

『withコロナ』『Newノーマル』
といった新たな状況へと
追い込まれた感があります。

このような状況で『選択と集中』だけで
良いかと問われれば
十分では無いと答えています。

『選択と集中』だけではなく
『選択と挑戦』を新たに加えなければ
これから生き残ることはできません。

『withコロナ』
そして『Newノーマル』を見据えた

新たなビジネスモデルの構築を
急速に進める必要があるのです。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第410話
<伊藤忠商事>です。

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繊維専門商社から総合商社へ

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1858年5月に
初代・伊藤忠兵衛が
麻布類の卸売業として創業しました。

1872年1月に
<紅忠>(べんちゅう)を創立しました。

1884年に
<紅忠>を伊藤本店としました。

1914年12月に
<伊藤忠>合名会社に改組しました。

1918年12月に
<伊藤忠>を株式会社<伊藤忠商店>と
<伊藤忠商事>株式会社に分割しました。

1941年9月に
<丸紅商店><伊藤忠商事><岸本商店>
の3社が合併して<三興>となりました。

1944年9月に
<三興><大同貿易><呉羽紡績>の
3社が合併して<大建産業>となりました。

1949年12月に
<大建産業>が財閥解体を受け

<伊藤忠商事><丸紅><呉羽紡績>
<尼崎製釘所>に分割されました。

1977年10月に
<安宅産業>を合併し繊維中心の商社から
総合商社となりました。

2012年12月に
世界最大の青果物企業<Dole>の

アジアの青果物事業および
世界の加工食品事業を買収しました。

2014年7月に
タイの<Charoen Pokphand>と
戦略的業務提携を結びました。

2015年1月に
タイの<Charoen Pokphand>グループと
中国最大の国有企業グループである

<中国中信集団>の中核企業となる
<中信集団>と戦略的業務・資本提携を
結びました。

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<伊藤忠商事>のビジネスモデル

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2019年3月に
中国で現地の病院経営大手と病院運営に
参入すると表明しました。

北京市で11病院を運営する
<北京世紀康瑞病院>の
株式数%程度を既存株主から取得し

人工透析サービス大手<サントップ>の
株式20%程度を取得します。

日本式のサービスの提供と
病院規模の拡大を目指し

中間所得層の拡大で増える
生活習慣病関連のニーズを
取り込む狙いです。

2019年4月に
米国<ビア・トランスポーテーション>に
出資したと発表しました。

欧米など60超の都市で
ライドシェア(相乗り)サービスを
提供する大手ですが

日本のタクシー会社などに
相乗りシステムを提供する狙いです。

日本国内では直接サービスを手掛けず
タクシー、バス会社、地方自治体に
システムを提供していく考えです。

2019年4月に発表した
『2019年3月期』の連結決算は
純利益が前期比25%増でした。

食料や繊維などの
非資源部門が好調だったほか

資源価格の回復も追い風となり
3期連続で過去最高とりました。

2019年6月に
<名古屋大学>と共同でがん治療の
産学協同研究講座の設置を発表しました。

『がん細胞』の分裂を
抑制する働きがあるとされる
『たんぱく質』に着目することで

先進的で副作用の少ない
がんの遺伝子治療法の開発を目指します。

2019年7月に
消費者関連の新ビジネスを担当する
新組織『第8カンパニー』を設立しました。

1997年に『ディビジョンカンパニー制』
を導入し7つの事業部門に分けてきましたが
8番目のカンパニーとなります。

社内で『マーケティングのプロ』と称される
細見研介執行役員がトップになり

公募した8年目以下の社員など
若手が中心となり部も課も設けない
40人のフラットな組織です。

消費者ニーズをくみ取り
事業を展開する『マーケット・イン』の
発想で事業にあたります。

2019年10月に
東欧のセルビアで排熱やガスで発電する
施設の建設に着手すると発表しました。

一般家庭から出る廃棄物を回収し
焼却時の排熱や発生する
メタンガスを利用して発電します。

埋め立てる廃棄物を削減でき
25年間で約300万トンの
二酸化炭素が削減できる見込みです。

2019年10月に
英国<ジャストパーク>と
資本業務提携すると発表しました。

駐車場シェアリングの大手で
個人や商業施設の空き駐車場をアプリで
予約できるシステムを運営しています。

今後の成長が確実な『MaaS』
(Mobility as a service)に

<ジャストパーク>のノウハウを
生かす狙いです。

2019年10月に
<ほけんの窓口グループ>を
連結子会社化したと発表しました。

来店型の保険代理店大手ですが
100万人以上の契約者を抱え

顧客家庭のニーズを
きめ細かく把握しているため
既存事業との相乗効果が狙いです。

2019年12月に
<主婦の友社>などと連携して中国で
知育・育児事業を展開すると表明しました。

中国は2016年に『一人っ子政策』を改め
2人目の出産を認めました。

香港のライセンス管理企業である
<PPWスポーツ&エンターテインメント>と

<主婦の友社>との3社で
香港に新会社を設立し
需要が大きい中国市場を開拓する考えです。

2020年3月に
海洋プラスチックごみの
再利用に取り組むと表明しました。

中国や韓国などから年200トンが漂着する
長崎県・対馬で回収したごみを

分別、破砕した上で通常の樹脂に
5%以上混ぜた容器を製造します。

米国<テラサイクル>と組み
強度や色合いなどを検証し配合割合を変え
最適な再利用容器が作れるようにします。

2001年に<プリンストン大学>の
学生だったトム・ザッキー氏が

ゴミになるものなど無いという
『廃棄物の概念を捨てる』理念のもと
<テラサイクル>を設立しました。

2020年3月に
米国<AKQA>と業務提携を結びました。

デジタルコンサルティング会社の
<AKQA>と業務提携を結ぶことで

デジタルトランスフォーメーションを
包括的に支援する事業に乗り出します。

企業のデジタル化の課題の掘り起こしから
消費者分析、基幹システムの
共同開発などを一括して請け負います。

2020年5月に
<電通リテールマーケティング>に出資し
持ち分法適用会社にしました。

店舗のデジタル化支援や
業務受託などを展開しているため

出資することで
小売店支援事業を強化できるとして
店舗販促事業に参入する考えです。

2020年9月に
医師向けにライブ配信するサービスを
立ち上げると表明しました。

新型コロナウイルスの院内感染防止で
対面での指導や
研修会の機会が少なくなるなか

ベテラン医師の手術動画や講義動画を
ライブ配信することで
技術を非対面でも伝承しやすくします。

医師向け情報サイトを運営する
<フェーズワン>と資本・業務提携し
サービスの開発パートナーとしました。

医療業界の『 DX支援』に
ビジネスチャンスを見い出します。

今日の企業事例である
<伊藤忠商事>を
すこし俯瞰して見てみましょう。

今年『持ち分法適用会社』にした
後払い決済サービスの<Paidy>は

2019年秋に<Amazonジャパン>の
決済手段に採用されました。

コロナによる電子商取引市場の伸びで
毎月10%前後のペースで
決済金額を伸ばしています。

過去の支払い履歴を
人工知能が分析することで

各利用者の支払い能力の与信をする
ノウハウに強みを持っていますが

クレジットカードを持てない若者や
主婦層から支持を集め

このような『コロナ禍』でも
新たな顧客を創出し続けています。

クレジットカード会社である
<ポケットカード>も傘下企業ですが

<伊藤忠商事>の
加藤修一執行役員は……

「与信をできる会社が身内にあるのが
伊藤忠の金融事業の大きな力となる」
と述べています。

金融ビジネスの重要なノウハウである
与信機能を持つことで

新たな金融サービスの開発も
やりやすくなることが理由です。

総合商社で4位が定位置でしたが
岡藤正広会長CEOの社長就任から
10年が経った2020年6月に

時価総額と株価で
業界トップの<三菱商事>を抜き
業界首位に立ちました。

就任当時の岡藤正広社長は
『生活産業分野』に的を絞る覚悟を決め
経営資源を集中しました。

『マーケットイン』の発想の具現化として
『非資源』や『個人向け事業』などへ
事業転換の舵を切りました。

消費者との距離が近い企業との連携を深め
従来の商社経営では把握しづらかった

『消費者ニーズ』をつかんで
新たなビジネスにつなげる戦略です。

連結対象会社は約300社で
利益規模は年間20億~30億円程度の
生活関連の中小企業がほとんどです。

銅や原油・LNGなどの
金属資源やエネルギーなどと比べると
一桁も二桁も利益額は小さくなります。

物販に加え金融や保険にも業容を広げ
デジタル技術を活用して

現場からあがるデータから
消費者が望む商品やサービスを
いち早く割り出して提供する

デジタル時代の『御用聞き』を
<伊藤忠商事>は目指しています。

『Newノーマル』に合わせた
新たなビジネスモデルの構築と

岡藤正広会長CEOの後継者選びが
<伊藤忠商事>にとって
当面の課題になっています。

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★前号までの『企業事例』です

三井化学
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川崎重工業
NTTドコモ
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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型 経営戦略コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし

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