第406話 <しまむら>のビジネスモデル

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未来志向型経営戦略

[ 未来通信 0406 ]

おはようございます!

未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。

コロナ禍で飲食や観光などの業界は
売り上げが激減しました。

そんな状況下でも
『塚田農場』の<エーピーカンパニー>は

売上高が40%減でも
赤字にならない態勢をつくりました。

さらに『第2波』と呼ばれる
感染拡大の危機を迎えています。

しかし『第1波』と呼ばれる段階から
着々と次の手を打っていました。

昼の定食を柱とした『つかだ食堂』
地鶏料理の専門店『地どり屋つかだ』
をそれぞれ都内などにオープン。

今秋には寿司店を開業し
洋食も含めた多様な食事メニューや生鮮野菜

半調理した食材セットなどを宅配する
『キッチンクラウド』の展開にも
乗り出す考えです。

『外部環境』が変化したことに対して
嘆いている場合ではなく

この状況が常態化する
『Newノーマル』を想定して

『withコロナ』の時代に生き残るため
自社の『強み』を生かした手を打つ。

これが今の時代に生きる経営者に
『課せられた使命』であると考えています。

中小企業も大企業も
日本の市場に於いては

同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。

大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。

今日の企業事例は第406話
<しまむら>です。

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チェーン店を開業して全国展開へ

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1923年に
『島村呉服店』を埼玉県にて創業しました。

1953年に
株式会社<島村呉服店>を設立しました。

1961年に
『しまむら』チェーン1号店を
埼玉県東松山市に開業しました。

1970年に
『東松山ショッピングセンター』を
複合商業施設として開業しました。

1972年9月に
株式会社<しまむら>へ
社名を変更しました。

1997年に
株式会社<アベイル>を設立し
『カジュアル&シューズ アベイル』を開業。

1999年に
服飾雑貨の専門店『シャンブル』
専門店『バースデイ』を開業しました。

2002年に
沖縄県へ進出したことで
47都道府県へ展開しました。

2006年に
靴専門店『ディバロ』の
初単独店を開業しました。

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<しまむら>のビジネスモデル

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2019年3月に
『2019年2月期』の連結純利益が
前期比46%減と発表しました。

暖冬の影響で冬物衣料の販売が伸び悩み
商品や売り場の見直しに着手しましたが
十分な成果が出ませんでした。

純利益は『2005年2月期』以来
14年ぶりの低水準になります。

2019年4月に
『2020年2月期』の連結純利益が
前期比47%増との見通しを発表しました。

利幅の厚いプライベートブランド商品の
拡販で採算を改善し

値引きによる販売促進を減らして
利益率の底上げを狙います。

<しまむら>の北島常好社長は……

「既存店の立て直しが最優先課題だ」
と述べています。

2019年6月に
『2019年2月期』のPB商品の定価販売が
前期比7ポイント低下したと表明しました。

プライベートブランド商品の
定価販売した割合は77%で

『2016年2月期』と比べ
10ポイント下がりました。

「強化する商品数に絞り込んだが
それが売れず値引きするだけに
終わってしまった」

と<しまむら>の北島常好社長は
述べています。

2019年6月に
ネット通販サイト『ZOZOTOWN』から
撤退したと発表しました。

商品の売れ行きや顧客属性など
店頭とは異なるネット上の傾向が
分かったため

全国に約2100店舗を展開する実店舗での
販売に注力するほか
自社で通販サイトを開設する考えです。

2019年6月に発表した
『2019年3~5月期』の連結決算は
純利益が前期比21%減でした。

天候不順で気温の低い日が多く
肌着など夏物衣料品が振るわず

冬物商品の在庫処分に伴う
値引きセールの影響で
利益率が低下しました。

2019年9月に発表した
『2019年3~8月期』の連結決算は
営業利益が前期比微増の143億円でした。

値引き販売の抑制で採算が改善し
人件費など経費削減の効果も出ましたが

売上高の80%を占める
『ファッションセンターしまむら』の
既存店売上高は6%減少しました。

2019年12月に
『2020年2月期』の連結純利益が
前期比1%増の見込みだと発表しました。

気温が高い日が多く
ダウンジャケットなど
冬物商品の販売が振るわず

台風上陸に伴う店舗の休業と
営業時間の短縮も響いています。

2020年1月に
バイオマスプラスチックを使った袋に
レジ袋を切り替えると表明しました。

4月から順次店舗で配布する
植物由来の原料を配合した
バイオマスプラスチックに切り替えます。

<しまむら>のレジ袋の消費量は
年間約2億枚になるため

年間の石油由来のプラスチックの使用量を
従来の20%強にあたる800トン削減でき

二酸化炭素(CO2)の排出量を
抑える効果も期待できます。

2020年1月に
鈴木誠取締役が2月21日付で
社長に昇格する人事を発表しました。

北島常好社長は販売不振の責任を取る形で
会長に就任し経営体制を一新
既存店の立て直しなどを進める考えです。

2020年3月に発表した
『2020年2月期』の連結純利益は
前期比18%減でした。

暖冬の影響で冬物衣料の販売が振るわず
不採算店舗に関わる減損損失を計上したほか

繰り延べ税金資産を取り崩して
税負担も増えました。

2020年5月に
藤原秀次郎相談役が9年ぶりに
取締役に復帰したと発表しました。

藤原氏は小さな衣料品店<しまむら>を
大手チェーンに育てた『中興の祖』ですが

経験豊富な藤原氏の復帰で
収益力の回復を目指す考えです。

しかし株主総会では
高齢の藤原秀次郎相談役が

9年ぶりに取締役に就く提案への
反対票は33%にのぼりました。

2020年6月に発表した
6月の既存店売上高は
前年同月比27%増でした。

新型コロナウイルスの
感染拡大に伴う『巣ごもり需要』で

着心地のいい室内着の販売が伸びたほか
夏物衣料が好調でした。

2020年6月に
『2021年2月期』の連結純利益が
前期比13%増の見込みと発表しました。

新型コロナウイルスの感染拡大で
在宅時間が増えており

所得や雇用環境の悪化による
節約志向の高まりも

廉価品を扱う同社にとっては
収益機会となりそうで

カジュアル衣料品の需要が高まり
値引き抑制で採算も改善するとの
見込みを立てています。

2020年7月に
東京都で新型コロナウイルスの
新規感染が過去最多を更新しました。

経済活動再開と感染防止の両立を迫られ
自衛策として不要不急の国内出張を控え

顧客の本社訪問についても商談件数を
1時間あたり1社のみに限定しました。

2020年8月に
猛暑日が続き冷感素材を使った肌着
寝具やマットレスの販売が伸びました。

家の中で少しでも
快適に過ごそうという人が
増えたことが要因のようです。

第一生命経済研究所の
永浜利広首席エコノミストは

「コロナの影響で暑さによる
経済のプラス効果は限定的だが

生活様式の変更で伸びる需要もあり
企業は知恵を絞る必要がある」

と述べています。

今日の企業事例である
<しまむら>を
すこし俯瞰して見てみましょう。

『しまラー』と呼ばれる女性得意客の
来店頻度が鈍っています。

プライベートブランド商品で
ヒットがなかなか出ず

消費者からみたブランドの特徴が
見えにくくなっていることも
要因の一つです。

地方での成長鈍化に対応するため
『都心部戦略』で東京偏重になり

ヤング向けは強くなりましたが
都市ばかりに目が行くようになり

地方都市の40~50代の女性の
離反を招きました。

季節の変わり目のセールで
安く衣料品を購入するという発想は
今の消費者にはありません。

個人間売買サイトの<メルカリ>や
月額で新品の衣料品をレンタルできる
サブスクリプション手法など

消費者の需要や利用形態は
リアル店舗だけではなく
ネットの利用など多様化しています。

<小島ファッションマーケティング>
の分析によると

国内で2018年に出回った衣料品は
29億点と1990年と比べて
約2.5倍に膨らんでいます。

これに対し購入されたのは
約13億点にとどまり

市場に投入された衣料品のうち
半数以上が売れ残っています。

生産コストを抑えるために
1990年代にアパレル各社が
中国や東南アジアに進出しました。

一定数量を発注しなければ
現地の工場が生産を引き受けてくれず

需要よりも生産数を基準に
計画を立てる傾向が強まりました。

アパレル業界特有の商慣習も
過剰生産の背景にあります。

国内市場が先細りするなか
流通企業は販売量を競う経営から

消費者の購買意欲を促す
ビジネスモデルに転換することが
喫緊の課題になっています。

さらに
独自性のある商品を取り扱う専門店は
ネット通販と親和性が高いはずですが

<しまむら>は
自社サイトの開設を検討していますが

実店舗中心のビジネスモデルから
転換できていません。

これまでの成功体験から脱却して
新たなビジネスモデルを構築することが
生き残るための最大の課題です。

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川崎重工業
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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型 経営戦略コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし

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