[ 未来通信 0402 ]
おはようございます。
未来志向型 経営戦略コンサルタント
渡邉ひとしです。
新型コロナウィルスの新規感染者数が
東京や大阪だけではなく全国的に
急速に増え始めています。
今月29日には国内で新規感染者数が
初の1000人超えになりました。
イベントへの参加や
旅行を控えるだけではなく
数人での会食も自粛ムードです。
企業間でやりとりする
請求書の完全なデジタル化に向け
政府とソフトウエア企業など
約50社が近く協議を開始し
データ仕様を統一する
取り組みも始まりました。
2023年10月からは
『インボイス制度』が始まります。
緩やかにデジタル化が進んでいましたが
コロナ禍で急激に加速し始めています。
『ニューノーマル(新常態)』での
考え方が求められています。
『ニューノーマルな時代』の
新たなビジネスモデルを構築する
タイミングです。
中小企業も大企業も
日本の市場に於いては
同じ『外部環境』のもとで
懸命に営業活動をしています。
大企業の課題や
経営手法を観察することで
自社の経営に活かしてください。
ビジネスモデル構築の専門家が
2時間の無料相談をお受けしています。
詳細はブログ下部に記載しています。
本日の企業事例を読んで
変化する経営環境を読み取り
あなたの事業に照らし合わせながら
新たな取り組みに
生かしていただければ嬉しいです。
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今日のビジネスモデルの企業事例は
【第402話】<川崎重工業>
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輸送機器や機械装置を製造してきました
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1878年に
創業者である川崎正蔵氏が
<川崎築地造船所>として設立しました。
1896年10月に
株式会社<川崎造船所>を設立しました。
1906年5月に
製鉄事業に進出して機関車や貨客車
橋桁の製作を開始しました。
1919年に
船舶部を分離して
<川崎汽船>を設立しました。
1928年に
鉄道車両部門を分離して
<川崎車輛>を設立しました。
1937年に
飛行機部門を分離して
<川崎航空機工業>を設立しました。
1939年12月に
<川崎重工業>株式会社に
商号を変更しました。
1950年8月に
製鉄部門を分離して
<川崎製鉄>を設立しました。
1974年に
バス車体製造部門を分離して
<川重車体工業>を設立しました。
2005年に
プラント建設部門を分離して
<カワサキプラントシステムズ>を設立。
2010年10月に
<カワサキプラントシステムズ>
<カワサキプレシジョンマシナリ>
<川崎造船>の3社と合併しました。
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<川崎重工業>のビジネスモデル
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2019年2月に発表した
『2018年4~12月期』の連結決算は
純利益が前期比22%減でした。
建設機械向け油圧機器は好調でしたが
航空機向けの新型エンジンの
開発費用が重荷で
北米の鉄道車両事業も
車両部品などの値上がりで
資材費の増加など採算が悪化しました。
2019年2月に
中国の『春節』の休暇が終わり
建設機械メーカーが忙しくなっています。
中国は春節明けの1カ月で
年間の30%近くを売り上げる
商習慣があります。
中国の建設機械大手の<三一重工>や
<徐工集団>などのシェアが
中国国内で拡大していますが
建設機械の性能を左右する
油圧ポンプなど基幹部品を
生産しているのが<川崎重工業>で
中国勢の油圧ショベルでは80%が
<川崎重工業>のポンプを
搭載しているとみられています。
「中長期で堅実な伸びが期待できる事業」
「製品力も強い」
と<川崎重工業>の
富田健司副社長は述べています。
2019年2月に
インドで建設機械用油圧機器の新工場を建て
生産能力を2倍にすると発表しました。
生産能力は年2万台で
従来の油圧機器工場と合わせインドで
従来比2倍の生産能力になります。
インドでは高速道路や鉄道網
港湾開発などのインフラ投資が続き
2017年11月ごろから
油圧ショベルが急に伸びています。
2019年3月に
1970年代に発売した大型バイクの
シリンダーヘッドの再生産を発表しました。
『Z1』『Z2』シリーズ用の
エンジン部品のシリンダーヘッドですが
修復作業を施して愛用するファンも多く
純正のシリンダーヘッドを望む声が多く
再生産することを決めました。
2019年5月に
国内メーカーで初となる水素を液化する
設備の商用化への進出を表明しました。
水素の効率的な輸送ができ
貯蔵も含めた供給網を整えられれば
水素を使う燃料電池車(FCV)や
水素ステーションの拡大
水素をつかった発電などの
利用機会が広げられます。
次世代エネルギーとして注目される
水素の普及を目指す考えです。
2019年5月に
超高速旅客船 『ジェットフォイル』の
起工式を開き船体の一部を公開しました。
離島航路などで利用される超高速旅客船を
新造するのは25年ぶりです。
ジェットフォイルは大量の海水を噴射し
水中翼の揚力で海面から浮上して
最高時速80キロメートル以上で航行します。
今後1~2年に1隻のペースで受注を目指し
不振の造船事業を立て直す考えです。
2019年9月に
米国ニューヨーク州の都市交通向けの
車両『M9』の供給を始めました。
ロングアイランド鉄道はニューヨーク市へ
近郊から通勤の足として使われており
2021年前後までに約200両を納めます。
ニューヨーク市交通局向けの
地下鉄車両『R211』も
オプションを含めて最大約1600両の
大型案件を受注しています。
2019年10月に
『2022年3月期』までの3カ年の
中期経営計画の詳細を発表しました。
成長の柱として精密機械・ロボットと
航空宇宙の2事業を位置付け
不振の鉄道車両や船舶海洋事業は
構造改革の対象事業として
再建を目指す考えです。
2019年10月に
2025年に宇宙ごみを除去する事業に
参入すると発表しました。
岐阜工場の屋上に
宇宙ごみ除去用の衛星に対して指示を送る
アンテナ設備を設置しましたが
2020年度に除去用の実証衛星を打ち上げ
地上局と連携する狙いです。
2019年11月に
ソフト開発会社<オプティム>と
業務提携したと発表しました。
<オプティム>は人工知能や
『 IoT』の基盤となるクラウド技術を持ち
<川崎重工業>のロボットや精密機械を
『 IoT』を活用して
ネットワークにつなぎ得られたデータを
人工知能が解析することで
生産性向上につなげる事業を
創出することを目指します。
2019年12月に
世界初となる液化水素運搬船の
進水式を行いました。
2020年秋に完成させ
オーストラリアで生産した水素を
日本に運ぶ実証を始めます。
セ氏マイナス253度まで冷して液化すれば
体積を800分の1に圧縮でき
水素を大量に輸送できます。
2020年4月に
医療用フェースシールドとガウンの
生産を始めたと発表しました。
新型コロナウイルスの感染防止のため
兵庫県の2工場で生産を始め
医療物資は川崎病院に寄贈しているほか
兵庫県を通じて県立病院にも提供します。
2020年5月に
2020年度の<ボーイング>向けの売上高が
前年比30%減の見通しと表明しました。
新型コロナウイルスの感染拡大で
航空機の受注状況は厳しくなっていて
<ボーイング>向けの
民間航空機部品の受注状況が
厳しくなっています。
2020年6月に
PCR検査を自動化するロボットを開発し
10月をメドに売り出すと発表しました。
<川崎重工業>と<シスメックス>が
折半出資する<メディカロイド>は
PCR検査のロボットを開発しますが
従来は人手を必要とした6項目の作業を
ロボットが担うことになります。
感染リスクを抑え
現場の人員を減らすことができ
熟練者がいない施設でも
検査の精度を確保できます。
唾液を患者から採取するロボットや
病院などで使える移動式ケアロボットも
開発しています。
今日の企業事例である
<川崎重工業>を
すこし俯瞰して見てみましょう。
<川崎重工業>には……
・航空宇宙事業
・二輪車事業
・プラント事業
・ロボット事業
・鉄道事業
・造船事業
という6つの事業部門がありますが
『事業部あって本社なし』と言われるほど
それぞれの個性と独立心が強く
2013年に<三井造船>との経営統合で
業界再編を主導しようと動いた際には
同調した取締役らとともに
当時の社長は解任されました。
2016年にトップに就いた金花芳則社長は
『部門横断型』の技術開発を掲げて
構造変革を進めていくはずでしたが
出身母体である鉄道部門で発生した
品質問題が足かせとなり道半ばです。
それでも『水素ビジネス』は
部門横断の研究開発組織である
『技術開発本部』が担うプロジェクトです。
ほぼ全ての事業部門が関わり
『水素社会の実現』を目指しています。
水素ビジネスでは
ライセンスビジネスも視野に入れており
「ものづくりの収益性が落ちるなかで
新たなビジネスモデルを構築する」
と金花芳則前社長は述べています。
2020年6月に
橋本康彦取締役常務執行役員が
社長に就任しました。
歴代社長は造船事業や鉄道事業
航空宇宙事業から誕生しましたが
長年『傍流』とされたロボット部門から
初めての昇格になります。
アイデアを次々と実現する姿に同僚から
『川崎重工業のスティーブ・ジョブズ』
との声も上がるほどでした。
子どもの頃は『鉄腕アトム』に憧れ
祖父・父・兄が医師という家系でしたが
技術者を志しました。
大学時代には
筋ジストロフィーの患者を支援する
ボランティアサークルに所属し
「医療や介護に役立つ
ロボットを作りたい」という思いがあり
出身地の神戸市が地盤で
ロボット事業を手掛けている
<川崎重工業>に入社しました。
2015年に実用化した双腕型ロボットは
安全性が高く人間と同じエリアで
並んで働くことができます。
食品業界などに売り込み
同タイプの製品で
世界シェア首位になりました。
2013年には<シスメックス>と共同で
<メディカロイド>を設立し
橋本康彦氏が自らトップに就き
日本初の手術支援ロボットの開発を
目指してきました。
橋本康彦氏が担当する
精密機械・ロボット部門の
『2019年3月期』の営業利益は
全体の3分の1を稼いでいます。
「社会の変化に対して
スピーディーな会社にしていきたい」
と橋本康彦氏は新トップとしての
抱負を述べています。
新型コロナウイルスの逆風を受けながら
複数の事業を抱えて構造転換を急ぐという
コロナ禍を乗り切りながら
自社の変革も進める2つの重い役割を
同時に担うことになります。
『コングロマリット・ディスカウント』
から抜け出すことが
当面の大きな課題になっています。
*用語解説
[コングロマリット・ディスカウント]
多くの産業を抱える複合企業の企業価値が
各事業ごとの企業価値の合計よりも
小さい状態のこと。
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今日の事例で何を学べるでしょうか?
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各事業部の身内意識が強く
ガバナンスの弱い会社は……
経営陣が一枚岩になることを
阻む傾向が強くなる。
外部環境の変化で
統廃合や再編に動く業界においては
先行きを見通した厳しい決断を下し
経営陣が一枚岩になり
全社一丸となって
新たな『ビジネスモデル』の構築に
取り組むことが必要となる。
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【2時間の無料相談:ご連絡先】
守秘義務契約を厳守する
経営戦略コンサルタントです。
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*次回は
8月7日金曜日の配信予定です。
★前号までの『企業事例』です
NTTドコモ
パーソルホールディングス
任天堂
みずほフィナンシャルグループ
小田急電鉄
大林組
西武ホールディングス
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ホンダ
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新聞や雑誌、ホームページなどの
公開情報に基づいた記述です。
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『なぜ、未来志向型経営なのか?』
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『なぜ、大企業の事例が参考になるのか?』
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株式会社未来デザインカンパニー 代表取締役
未来志向型 経営戦略コンサルタント
愛知産業大学 非常勤講師
中部大学 非常勤講師
渡邉ひとし
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